民主統一党 (韓国)

民主統一党：第四共和国時代の保守政党

民主統一党（略称：統一党）は、韓国の第四共和国期において存在した保守政党です。1973年1月27日、第三共和国時代の野党・新民党の反主流派勢力によって結成されました。創設メンバーには、金弘壱、梁一東、尹済述といった新民党の有力幹部が含まれていました。党結成のスローガンは「党の新しい進路と道標の確立」でした。

結成の背景には、1972年10月17日に朴正熙大統領が発表した「十月維新」による政治活動停止があります。この政治活動停止は1972年12月27日に解除され、そのわずか一ヶ月後という急ピッチで民主統一党は結成されました。しかし、この短期間での結成は党勢の拡大に十分な時間を与えず、1973年2月に行われた第9代総選挙では、57名の候補者を擁立したものの、当選者はわずか2名という惨敗を喫しました。

その後も民主統一党は、韓国政界における群小政党の地位に甘んじることとなります。1978年の第10代総選挙では、3議席を獲得するにとどまりました。朴正熙大統領暗殺という衝撃的な出来事が起こった1979年10月26日以降も、民主統一党は活動を継続しましたが、1980年に公布された第五共和国憲法の附則によって、他の多くの政党と共に解散を余儀なくされました。

民主統一党の短い歴史は、韓国の激動期における政党政治の困難さを如実に示しています。朴正熙政権下の厳しい政治状況、短期間での党結成、そして限られた党勢の中で、民主統一党は保守勢力の代表として活動しようと試みましたが、大きな成功を収めることなく歴史の舞台から姿を消しました。党の結成、選挙の結果、そして解散に至るまでの経緯を詳細に分析することで、第四共和国期の韓国政治、ひいては韓国現代史の一端を理解することができるでしょう。

民主統一党の失敗は、単なる一政党の消滅という以上の意味を持ちます。それは、韓国の政治システム、特に当時の権力構造や政党政治の脆弱性を浮き彫りにする象徴的な出来事であったと言えるでしょう。新民党内部の対立、朴正熙政権下の厳しい政治状況、そして急激な政治変動などが複雑に絡み合い、民主統一党の運命を決定づけました。

この党の歴史を研究することで、韓国における民主主義の歩み、政党政治の変遷、そして保守勢力の動向をより深く理解することができます。民主統一党は、華々しい成功を収めた政党ではありませんでしたが、その存在は、韓国現代史を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

参考文献

尹景徹『分断後の韓国政治 : 一九四五〜一九八六年』木鐸社、1986年11月30日。NDLJP:12173192

関連項目

韓国の政党一覧
大韓民国の政党
珍山波動（第三・四共和国時代の最大野党である新民党内部で1971年に生じた対政府強硬派と穏健派による党内抗争）

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