民間核施設保安隊

民間核施設保安隊（Civil Nuclear Constabulary, CNC）

民間核施設保安隊（CNC）は、イギリスにおける特別警察として、核関連施設やその周辺5キロメートルにおける法執行と保安を担当している。2005年に設立されたこの組織は、元々1955年に設立された英国原子力公社警察隊の後継であり、イギリス全土を通過する核物質に対する保安も含まれる。核兵器の防護はイギリス軍および国防省警察が担当するため、CNCの役割はそれとは異なる。

装備

民間核施設保安隊の警察官は多くが武装しており、各警備区域にてライフルやピストルを用いて patrol（パトロール）を行う。主要な武器システムとしては、全警官が装備するグロック17とG36があり、加えて非致死性の武器（CSガス、特殊警棒、スタンガン、プラスティック弾）も持っている。警察官の制服は、スコットランド警察のものに似ていたが、2008年にロンドン警視庁風のデザインに変更された。さらに、抗弾ベストを着用し、化学・生物・放射能・核（CBRN）からの保護に関する訓練も受けている。

CNCでは、複数の車両を使用しており、警邏や追跡にはフォードS-Maxや三菱パジェロを、警護車両にはBMW X-5を使用している。車両はテームズ渓谷警察の管理下にあり、地域符号「OU」が付された登録プレートで識別できる。

役割

CNCの主な役割は、イギリス国内での民間核施設及びそこで使用される核物質の保安である。これは2004年エネルギー法に基づいて設立されたもので、保安隊本部長と民間核警察局が定められた。この法令によって、内務省に代わってエネルギー・気候変動省が保安に関する権限を持つことになった。CNCの年次報告によると、犯罪発生率は低く、主に武装保安の提供に関わっていることが強調されている。

2010年から2011年にかけては12件の逮捕を行ったが、その中には不適切な取り扱いがあったケースもあった。一般的な警察と異なり、CNCの警察官は勤務中に常に武装していることが多く、特に原子力燃料の輸送時には警護にあたることもある。

また、CNCは反核抗議運動に対して情報収集活動（隠密情報活動）を行う権限も持っており、過去にはこの活動の質について高い評判を受けている。

法的管轄権

CNCの警察官は通常の警察官と同様の権限を持ちながらも、エネルギー法により特定の権限が制約されている。主な管轄権としては、核物質の警護や不法な移動への対応が含まれ、さらに民間核施設の周囲5キロメートルに関しても権限が及ぶ。

予算

CNCは、イギリス国内の17の核施設を運営する企業から資金を調達している。その中でも、セラフィールドを経営する企業合同体からの出資が大部分を占めており、大手企業の影響力が見受けられる。

相互扶助

CNCはイギリスの特別警察の中で他の機関（イギリス鉄道警察や国防省警察）とは異なる規制を持っており、彼らには相互扶助の権限が与えられている。ただし、CNCも地域警察との合意によって、時には管轄外での活動が許可されることがある。

所在地

CNCはイギリス国内の16のサイトで活動しており、そのうち6つは恒常的な警察活動が行われる「作戦部隊」、残りの9つは公開の武装警察活動が行われている「支援部隊」に分類されている。

結論

民間核施設保安隊は、イギリスにおける核関連施設保安の重要な役割を担い、その法執行の一環としてさまざまな活動を行っています。国民の安全を守るために、今後もその機能の遂行が期待されています。

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