民間航空機貿易に関する協定

民間航空機貿易に関する協定

民間航空機貿易に関する協定（略称：民間航空機貿易協定）は、1979年4月に策定され、1980年に発効した国際的な条約です。この協定は、東京ラウンド諸協定の一環として位置づけられています。日本においては、この協定は国会の承認を受けて「条約」として採択され、法的には昭和55年条約第13号として登録されています。

目的

民間航空機貿易協定の主眼は、民間航空機とその部品、関連設備における国際的な貿易を最大限に自由化することです。この目標を達成するために、関税の撤廃や貿易障害の軽減が重視されています。協定の対象となる民間航空機とは、いわゆる「軍用航空機以外のすべての航空機」とされており、日本では「防衛庁が調達する航空機」を除くすべての航空機が該当します。

概要

本協定は、マラケシュ協定に含まれる附属書4に位置づけられており、ここには複数国間貿易協定が含まれます。他の附属書にある条約とは異なり、これらの協定は加盟国が個別に締結することが可能です。このため、WTO加盟国全てが拘束されるわけではなく、協定を締結した国のみがその義務を負います。

しかし、ウルグアイ・ラウンド交渉では改定に至らなかったため、元の東京ラウンドの協定がそのまま附属書に取り入れられました。

主な内容

民間航空機貿易協定の内容は以下の通りです。
1. 関税の無税待遇: 民間航空機およびその部品に対しては、関税が撤廃されることで貿易が促進されます。
2. 調達や契約に関する禁止: 政府による調達や下請契約の強制、誘引は禁止され、これにより公正な競争環境の確保が図られます。
3. 助成および制限の禁止: 政府が行う助成や、輸出信用および民間航空機の販売への制限は行われないことが規定されています。

改正

協定はその後も数回にわたり改正されています。主な改正の経緯は次の通りです。

• - 対象品目の拡大: 協定発効直後から品目拡大が図られ、1984年に改正文書が採択されました。
• - 統一システムへの改定: 1986年に改正議定書が採択され、協定附属書の内容が統一カスタムシステム（HS）に基づくものとなりました。
• - さらに2002年版対応および2015年版改正: 定期的に改正が行われ、最終的に近年のHS規則に基づく改正が進められています。

締約国

この協定には、EUを含む33の国や地域が参加しています。具体的には、アルバニア、オーストリア、ベルギー、カナダ、日本などが挙げられます。国際的な貿易環境を整えるための重要な枠組みとして、民間航空機貿易における協定は、各国の経済関係においても意義を持つものとなっています。

参考リンク

詳細は、外務省の公式サイトにてご確認ください。

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