気象官署

気象官署とは

気象官署とは、気象観測や天気予報の発表など、気象に関する様々な業務を行う公的機関です。私たちの生活に欠かせない天気予報は、正確な気象観測データに基づいて作成されており、気象官署はその重要な役割を担っています。

地上気象観測の重要性

天気予報の精度は、気象観測の質に大きく左右されます。観測地点が少なかったり、観測精度が粗いと、予報の信頼性が低下する可能性があります。世界気象機関（WMO）では、一般的な天気予報を行うためには、地上気象観測地点を最低でも150km間隔で設置することが望ましいと勧告しています。

地上気象観測の方法

地上気象観測には、専用機器を用いた観測と、観測担当者による目視観測があります。自動観測が可能な項目も多いですが、天気、視程、雲の種類など、目視で総合的に判断されるものも存在します。

観測項目

地上気象観測では、以下のような項目が観測されます。

気温: 空気の温度を測ります。一般的には摂氏（℃）が用いられますが、華氏（°F）を用いる国や、気象学では絶対温度（K）を用いることもあります。
降水量: 雨や雪が地面に溜まったと仮定した場合の水深をミリメートル（mm）単位で計測します。貯水型雨量計や転倒ます型雨量計などが用いられます。
風向風速: 風の吹いてくる方角と、風の速さを計測します。風向は16方位で表され、風速はメートル毎秒（m/s）で表されます。
視程: 遠くまで見通せる距離を指します。視程目標図を用いて目視で観測されます。
その他の観測項目: 日照時間、気圧、相対湿度、天気、雲形、雲量、その他の大気現象なども観測されます。

国際的な取り組み

世界中の観測地点には、地点番号が割り振られ、国際地点番号表にまとめられています。また、気象通報のための通報型式として「気象通報式」があり、国際的な通報には「国際気象通報式」が用いられています。

まとめ

気象官署は、正確な気象観測を行い、そのデータを基に天気予報を発表することで、私たちの生活を支えています。地上気象観測は、天気予報の精度を左右する重要な要素であり、国際的な協力体制のもと、観測データの共有が行われています。

参考資料

岩槻秀明『図解入門 最新気象学の応用と予報技術がよ〜くわかる本』秀和システム、2013年

もう一度検索