気象庁が命名した自然現象の一覧

気象庁が命名した自然現象の一覧

気象庁は、日本に大きな自然災害をもたらした自然現象に対し、その名称を定めることで、防災関係機関の活動を円滑化し、災害の経験と教訓を後世に伝えることを目指しています。

命名の目的と意義

自然現象に名称を定めることは、災害発生後の迅速な応急・復旧活動を支援するとともに、過去の災害から得られた貴重な教訓を未来に継承するために重要な役割を果たします。気象庁による命名のほか、各地域で独自に定められた災害名についても、その利用と普及を推奨しています。

政府が災害自体に名称を定める場合もあります（例：阪神・淡路大震災、東日本大震災）。

命名基準

気象庁は2004年に命名基準を公表し、その後改定を経て、2018年7月9日に現在の基準を策定しました。当初は人的被害に関する記述がありませんでしたが、2013年の伊豆大島土砂災害のような事例を受け、人的被害の大きさを考慮する基準が追加されました。

気象現象（台風を除く）

以下のいずれかに該当する場合に命名されます。

損壊家屋等が1,000棟程度以上、または浸水家屋が10,000棟程度以上
相当の人的被害が発生した場合
特異な気象現象による被害が発生した場合

名称は原則として「元号年＋月＋被害地域名＋現象名（豪雨、豪雪、暴風、高潮等）」で構成されます。豪雪の場合は、被害が長期間にわたるため、冬期間全体を対象とした名称が用いられます。

台風

以下の条件を満たし、後世への伝承の観点から特に必要と認められる場合に命名されます。

損壊家屋等が1,000棟程度以上、または浸水家屋が10,000棟程度以上
相当の人的被害が発生した場合

名称は原則として「元号年＋被害地域・河川名＋台風」で構成されます。地域・河川名は、後世への伝承に最も適したものが選ばれます。

地震現象

以下のいずれかに該当する場合に命名されます。

地震の規模が大きい場合
陸域：マグニチュード7.0以上（震源の深さ100km以浅）、かつ最大震度5強以上
海域：マグニチュード7.5以上（震源の深さ100km以浅）、かつ最大震度5強以上または津波の高さ2m以上
顕著な被害が発生した場合（全壊家屋100棟程度以上、相当の人的被害など）
群発地震で被害が大きかった場合

名称は原則として「元号年＋地震情報に用いる地域名＋地震」で構成されます。過去には異なる命名規則が用いられていました。

火山現象（噴火）

以下のいずれかに該当する場合に命名されます。

顕著な被害が発生した場合（相当の人的被害など）
長期間にわたる避難生活等の影響があった場合

名称は原則として「元号年＋火山名＋噴火」で構成されます。過去には異なる命名規則が用いられていました。

各現象の一覧

気象現象
地震現象
火山現象

参考資料

国立天文台『理科年表 平成20年』丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7。

関連情報

年別台風記事一覧
竜巻災害の一覧
日本の地震年表
歴史的な津波の一覧
火山噴火の歴史

外部リンク

顕著な災害を起こした自然現象の名称について（気象庁）
* 気象庁が名称を定めた気象・地震・火山現象一覧（気象庁）

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