気高郡

気高郡の概要

気高郡（けたかぐん）は、鳥取県に存在した郡で、1896年に行政区画として設立されました。当時の郡域は、現在の鳥取市の一部に当たります。具体的には、河原町各町・用瀬町各町・佐治町各町を除いた千代川以西地域、さらに江津・秋里及び松並町の一部でした。

歴史的背景

発足と初期の変遷

気高郡は、1896年4月1日の郡制の施行に伴い、高草郡と気多郡の区域をもって発足しました。同日、郡役所が吉岡村に設置され、全域が現在の鳥取市となりました。この当時、気高郡には合計で33村がありました。具体的には、旧・高草郡と旧・気多郡からそれぞれ村が引き継がれました。

郡制と町制の施行

1899年3月18日には、初めて鹿野村が町制を施行し、鹿野町へと名称が変更されました。その後も合併や町制の施行が進み、1914年に明治村と穏治村が合併して新たに明治村が成立するなど、地域の変動がありました。

合併とその後の変化

1915年、正条村と八束水村が合併し、新しい正条村が発足しました。さらに、1917年には東郷村と福富村が合併し統合された他、蒲野部村と海徳村の合併によって大正村が設けられました。このように、合併が繰り返された結果、1923年には郡会が廃止されることとなりましたが、その後も郡役所は存続しました。

最終的な消滅

1937年には賀露村が鳥取市に編入され、1948年には正条村が町制を施行し、浜村町となります。数々の合併を経て、1953年には青谷町が発足し、さらに1955年には複数の村が統合されて気高町が設立されました。

2004年11月1日には、気高町、鹿野町、青谷町がすべて鳥取市に編入され、これを以て気高郡は消滅しました。この事例は、鳥取県における1896年以降の再編成以降、最初の郡消滅となりました。

統計データ

郡の最盛期となる1935年時点では、面積は325.05平方キロメートル、人口は52,111人（男性25,485人、女性26,626人）を記録していました。

関連文献と資料

気高郡の詳細や歴史については、「角川日本地名大辞典」や楢柴竹造による『気高郡史考』が参考文献として知られています。これらの資料には、地域の歴史や変遷についての記録が豊富に掲載されています。

このように、気高郡は多くの歴史的な変遷を経て、地域社会の一部として存在していましたが、2004年の行政区画再編によってその幕を閉じました。

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