千代川

千代川（せんだいがわ）

千代川は、鳥取県の東部を流れる一級水系の本流です。その源を八頭郡智頭町の沖の山に発し、北へと流れ、鳥取市で日本海に注ぎます。

地理

千代川は、智頭町の沖の山に端を発し、そこから北へと流れていきます。鳥取市に至ると、日本海に注ぎ込みます。河口一帯には広大な鳥取砂丘が広がっており、その景観は訪れる人々を魅了します。また、中流域に位置する鳥取市用瀬は、古くから伝わる流し雛の風習で知られています。

2006年（平成18年）4月には、河川法に基づいた「河川整備基本方針」が策定され、国土交通省などにより、河川の改修が精力的に進められています。この方針は、河川整備の長期的な計画を示すもので、今後100年にわたる河川の保全と活用を目指しています。

名称の由来

千代川の名称には、二つの説があります。

一つ目の説は、因幡国の多くの谷からの流れが集まり、大きな川となることから、古くは「千谷川」と書かれていたものが、後に「せんだい」と呼ばれるようになり、それに「千代」の字が当てられたというものです。この説は、川の地理的な特徴が名称の由来になったことを示唆しています。

二つ目の説は、弘法大師が八上郡の兵円山を霊場にしようとした際に、山にある千の谷に仏像を安置しようとしたが、アマンジャクによって谷が一つ隠されてしまい、千体の仏像を川に流したことが由来とされています。この説では、当初「千体川」と呼ばれていたものが、後に「千代川」に変化したと伝えられています。これは、伝説的な要素が名称に影響を与えたことを示しています。

歴史

千代川は、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。天正9年（1581年）の鳥取城の戦いでは、織田信長の命令を受けた羽柴秀吉が中国攻めを行った際、千代川は吉川経家が籠城した鳥取城への重要な補給路となりました。

特に、千代川の河口は、伯耆国以西の山陰地方からの海上交通と、千代川を遡る河川交通の結節点であり、戦略的に非常に重要な地点でした。このため、丹後宮津の細川藤孝が派遣した水軍と毛利水軍の間で、激しい海戦が繰り広げられました（因幡湊川口の戦い）。

関ヶ原の戦いの後、千代川は邑美郡・法美郡・巨濃郡を与えられた池田長吉と、気多郡・高草郡を与えられた亀井茲矩の領地の境界線となりました。

流域の自治体

千代川の流域には、以下の自治体が含まれます。

鳥取県
八頭郡智頭町
鳥取市

主な支流

千代川には、以下の主な支流が流れ込んでいます。

土師川 - 八頭郡智頭町
佐治川 - 鳥取市佐治、用瀬
八東川 - 八頭郡若桜町、同郡八頭町

並行する交通

千代川沿いには、以下の交通機関が並行しています。

鉄道

智頭急行智頭線（山郷駅～智頭駅間で並行）
JR西日本因美線（智頭駅 - 鳥取駅間で並行）

道路

鳥取自動車道（鳥取県側全線（駒帰交差点 - 鳥取IC間）で並行）
国道373号（智頭街道、智頭町上流部で並行）
国道53号

主な橋梁

千代川には、以下のような多くの橋梁が架かっています。

鳥取大橋 - 国道9号線
八千代橋
千代橋 - 県道41号線
千代川橋梁 - （山陰本線）
千代大橋 - 県道21号線
因幡大橋 - 国道29号線
叶水管橋
源太橋 - 県道227号線
新円通寺橋 - 国道53号線
円通寺橋 - 国道298号線
稲常橋
布袋大橋 - 鳥取自動車道
袋河原橋 - 国道53号線
出合橋 - 県道287号線
河原橋 - 県道32号線
佐貫橋 - 県道231号線
佐貫大橋 - 鳥取自動車道
八日市橋 - 県道232号線
和奈見橋 - 県道195号線
美成橋 - 県道49号線
ひいな橋(人道橋)
中橋
用瀬橋 - 国道482号線
三角橋
第一智頭川橋梁（ＪＲ因美線）
古用瀬橋 - 県道174号線
新用瀬橋 - 国道53号線
日の出橋
樟原橋
新川中橋- 国道53号線
川中橋
第二智頭川橋梁（ＪＲ因美線）
第三智頭川橋梁（ＪＲ因美線）
市瀬橋
新市瀬橋
智頭高架橋 - 国道373号線、志戸坂峠道路
鳥の巣橋
智頭ランプ橋
錦橋
備前橋
京橋- 国道53号線
沖代橋
南方橋
（智頭線）
（智頭線）
毛谷高架橋 - 志戸坂峠道路
乳尾橋
郷原橋
河合橋
小又橋
大内橋
酒屋橋
馬渡瀬橋
小馬場瀬橋
尾見谷橋
尾見橋 - 志戸坂峠道路智頭南IC
智頭南ランプ橋 - 志戸坂峠道路智頭南IC
智頭南高架橋 - 志戸坂峠道路
名引橋
横瀬橋
中原橋 - 国道373号線
山郷橋 - 志戸坂峠道路
天狗谷橋
わらびお谷橋
あそう谷橋
福原橋 - 国道373号線
樽見橋 - 国道373号線
富田橋 - 国道373号線
第一上田橋 - 国道373号線
志戸坂大橋 - 志戸坂峠道路
第二上田橋
第三上田橋
吉方橋
久松橋
弥生橋

脚注

外部リンク

国土交通省中国地方整備局 鳥取河川国道事務所
流しびなの館 - ウェイバックマシン（2005年5月17日アーカイブ分）

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