水ノ子島

水ノ子島

水ノ子島（みずのこじま）は、豊後水道の中央に位置する無人島であり、大分県佐伯市に属しています。この小さな島は、周囲約300メートル、高さ約20メートル、面積約0.34ヘクタールで、実際には岩礁のような存在感があります。島の最大の特徴は「水ノ子島灯台」であり、日本の灯台50選にも名を連ねる有名な灯台です。1986年に完全自動化かされるまで、この灯台には常に灯台守が常駐していましたが、現在は無人島となっています。

水ノ子島は全域が日豊海岸国定公園に指定されており、自然に囲まれた静かな場所です。また、磯釣りのスポットとしても人気があります。周囲の海は美しい景観を誇り、多くの人々が釣りや散策を楽しむ場所として知られています。特に、海の透明度が高いことから、周囲の魚たちを観察することも可能です。

歴史と領有争い

水ノ子島は、歴史的に江戸時代において伊予国（現在の愛媛県）の宇和島藩と豊後国（現在の大分県）の佐伯藩との境界に位置し、両藩の間で領有権を巡る争いが繰り広げられていました。この争いは明治時代に入るまで続き、言い伝えによれば、両藩が一番鶏を合図にして島に一番早くたどり着いた藩が領有権を持つと決めたそうです。その結果、佐伯藩の鶏が早く啼いたため、佐伯藩が先に水ノ子島に上陸しました。また、幕府の裁定でも同様の形で佐伯藩が島の領有権を獲得したとされています。この歴史的背景は、水ノ子島に豊かな物語を与えています。

アクセスと交通

現在、水ノ子島への定期航路は存在せず、上陸には許可が必要です。しかし、夏季の週末を中心に島の周辺を巡るクルーズ船が運航されており、観光客がその美しい景色を楽しむことができます。また、大分県佐伯市と高知県宿毛市を結ぶ宿毛フェリーの船上からは、水ノ子島を間近に見ることができます。

さらに、2004年11月7日には、水ノ子島灯台の初点灯から百周年を記念した特別な航海が企画され、地域の人々や観光客にとって思い出深い出来事として記憶されています。

水ノ子島は、自然の美しさと歴史的な背景が融合した魅力的な場所です。訪れる機会があれば、その静寂な環境と美しい海に癒されることでしょう。

もう一度検索