宿毛フェリー

株式会社宿毛フェリーの概要

株式会社宿毛フェリーは、高知県宿毛市片島に本社を構える海運会社です。これまで、宿毛湾と大分県佐伯市を結ぶ航路を運航していましたが、2018年10月19日を持って運航を休止しました。2019年3月には再開を断念することを発表し、同年5月には保有していた船舶を売却しました。これに伴い、宿毛市は新しい運航会社の探索を進めています。

航路の歴史

この航路は、宿毛フェリーの前身である宿毛観光汽船が1971年に開設したもので、当初は「コバルトライン」として親しまれていました。宿毛観光汽船は2004年に自己破産を申請し、同日の午前3時発の便を最後に運航を停止しました。この廃業後、航路の運営を引き継ぐため設立された「土佐・佐伯フェリー」も計画は頓挫したため、数年後に新たに設立された「宿毛フェリー」によって航路の運航が再開されることとなります。

運航再開に際しては、周防灘フェリーの運航ノウハウを活かし、従来の二隻から一隻へと船舶数が減少する合理化が図られました。また、地元の高知県と6市町村の協力により、最大4億円の補助が設けられています。

再度の運航休止とその後

しかし、2018年に燃料費の高騰から運航を一時休止することを決定しました。利益構造の厳しさが明らかになる中、宿毛市は、運航再開が難しいとの判断を下し、代替の運航会社を探す動きが始まりました。最終的に、同年7月にはすべての航路における運航を維持するため唯一の船体も売却しました。

航路運航の変遷

宿毛湾港と佐伯港を結ぶ航路は、運航開始当初から3000トン級の大型フェリーを使用しており、最高で1日3往復で3時間の所要時間で結ばれていました。運航再開後の便数は減少し、再開前と比べ少ない運用船舶での運行が続けられていました。この航路が高知県と県外を繋ぐ定期旅客船としての役割を担っていたのは、大阪と高知を結ぶ航路が2005年に休止した後のことです。

船舶の概要

これまでに就航した船舶の中で特に重要なものには以下があります。

• - あしずり: 1971年に初就航し、990総トンで旅客定員500人を誇っていました。
• - さいき: 1974年から運航を開始し、1994年にはパナマへと売却されました。
• - しまんと: 1994年に就航、484人の旅客を収容する能力を持ち、2004年に海外へ売却されています。
• - ニューあしずり: 1985年に竣工し、旅行者や車両の輸送に利用されましたが、2019年に長崎県の不動産会社に売却されています。

現在の状況

運航が休止されて以降、宿毛市は新たな定期航路の設立に向け、関連海運会社との協議や提供される調査を基に活動を進めており、将来的な航路復活に向けた道筋を探っています。今後、宿毛フェリーの名称が再び高知県の海運業界に登場する日の可能性を秘めているのか、注視していく必要があります。

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