水上バス

水上バスについて

水上バス（すいじょうバス）とは、河川や港湾地域において運航される定期の交通手段やそのために使用される船舶を指します。この種の船は、複数地点間を往復することが一般的ですが、特定の地点から巡航する観光航路としても利用されることがあります。最も公共性が高いものとして、狭い距離の対岸を結ぶ渡し船や、海上などの長距離を繋ぐフェリーが存在します。

用語の意味

水上バスは、便宜上、運航の規模や目的に応じた用語であり、通常のバスや水陸両用車を意味するものではありません。しかし、実際には水陸両用車を使って水上バスを運行することもあります。英語では「Water Bus」や「Water Taxi」という表現が使われることがありますが、これらは一般的に運航スタイルにより区別されることがあります。例えば、Water Busは定期路線の運行を、Water Taxiは呼び出しに応じるタクシー的な運行を示すことがあります。ロッテルダムやドバイなどでは、これらの用語が厳密に分けられています。

水上バスの歴史

水上バスの起源は、日本の東京都隅田川における乗合蒸気船にさかのぼります。1885年に運行が始まり、初期の運賃が一銭であったため、「一銭蒸汽」との愛称でも呼ばれました。しかし、それ以前からも水運の一形態として複数の寄港地を持つ「巡航船」が存在していました。

近年、日本の大都市では自動車交通が発達し、川を経由しなくても移動が容易になりました。それでも、水上から市街を眺望する非日常的な体験に価値を見出し、観光を目的とした水上バスの運航は各地で続いています。例えば、東京都とヤマト運輸は2017年から東京水辺ラインで観光客の荷物を運ぶ実証実験を行っています。

運航地域

日本の主な運航地域

• - 関東地方

- 隅田川：東京水辺ライン、東京都観光汽船
- 東京港：東京水辺ライン、アーバンランチ

• - 中部地方

- 新潟市：信濃川ウォーターシャトル
- 名古屋市：名古屋港トリトンライン

• - 関西地方

- 大阪市：大阪水上バス

• - 四国地方

- 須崎市：須崎市営巡航船

• - 九州地方

- 福岡市：福博みなとであい船

廃止された航路

日本には、長い歴史を持つ水上バスの廃止された航路も多数あります。例えば、須賀利巡航船は1915年から2012年まで運航されていました。また、浜名湖巡航船は1946年に観光船への転換が進み、1977年には運航が終了しました。

日本以外の水上バス

日本国内だけでなく、北米、南米、欧州、アジア、オセアニア各地でも水上バスは運航されており、都市間の移動手段や観光の要素として人気を集めています。カナダやアメリカの都市、イギリスのロンドンやイタリアのヴェネツィア、さらにはアジアの広州やバンコクなども水上バスを活用しています。

水上バスは、単なる移動手段にとどまらず、都市の壮観を楽しむ新しい観光体験をも提供しており、その存在意義はますます高まっています。

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