水主神社 (東かがわ市)

水主神社について

水主神社（みずしじんじゃ）は香川県東かがわ市に鎮座し、倭迹々日百襲姫命を主祭神として祀っています。この神社は式内社に分類され、旧社格は県社です。また、讃岐国式内二十四社の一つにも名を連ねています。

主祭神と境内社

主祭神の倭迹々日百襲姫命（やまとととひももそひめのみこと）は、若干8歳でこの地に漂着されたと伝えられています。彼女は多くの人々に雨をもたらし、水源を教え、農業を助ける神として信仰を集めました。

境内社には、主祭神の父である孝霊天皇を祀る孝霊神社や、主祭神の母である倭国香姫命を祀る国玉神社などがあります。その他、熊野信仰に基づく水主三山や、罔象女神や瀬織津姫とも呼ばれる水波女命を祀る水神社も境内にあります。さらに、大水寺と呼ばれる別当寺は、阿弥陀如来が本尊です。

神社の環境と歴史

水主神社は与田川の右岸、大内ダム近くの山裾に静かに佇んでいます。背後に広がる社叢は香川県の自然環境保全地域に指定されており、境内には観光名所として知られる「いのり杉」が存在しています。石器や土器の出土があり、さらに古墳も存在することから、長い歴史と文化の背景を持つことが伺えます。

社殿は全て春日造りで統一され、社領を示す立石は周辺に今も存在しています。神社の創建についての伝承では、倭迹々日百襲姫が未来を予知する能力を持ち、苦しむ人々を救ったことが記されています。このような背景から、神社裏山には彼女の御陵も存在します。

神階と歴史の流れ

水主神社は中世から近世にかけて、地元の人々から特に崇敬を受けてきました。平安時代には、神階が与えられ、承和3年には従五位下に任命、後に正一位に昇格する名誉を得ています。特に海賊退治のために祈祷が行われた際には、正五位下に昇叙された記録も残されています。

また、江戸時代にかけて、藩主たちや地元の有力者の寄進や社殿の修復が多く行われ、神社は繁栄を見せました。明治時代には明治維新の影響を受け、社格が変わる動きがあり、現在の県社に至ります。

文化財

水主神社は多くの文化財を納めており、重要文化財として認定された木造神像や木造狛犬、そして大般若経600帖などがあります。また、香川県指定の有形文化財も保有し、その豊かな歴史と文化を示しています。

アクセス

水主神社へのアクセスは容易で、高松自動車道の白鳥大内インターチェンジから車で約10分の距離に位置します。香川県道129号線沿いにあり、自然に囲まれた静かな場所にあるため、訪れる人々にとって心やすらぐひと時を提供しています。

このように、水主神社は多くの歴史的背景や信仰を持つ神社であり、訪れる際にはその歴史的価値をじっくりと感じ取ることができるでしょう。

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