公益財団法人水交会について
公益
財団法人水交会(すいこうかい)は、日本の公益団体であり、
大日本帝国海軍と
海上自衛隊の親睦を深める活動を行っています。本会は、帝国海軍の戦没者や
海上自衛隊の殉職者への慰霊顕彰、海軍の伝統精神の継承、そして
海上自衛隊への支援と協力を三本柱にして活動を推進しています。
本会は、機関紙「水交」の発行をはじめ、
靖国神社や千鳥ケ淵戦没者墓苑、自衛隊殉職隊員慰霊碑への月例参拝や、会員同士の親睦を目的としたさまざまな事業を展開しています。また、会長や理事長は
海上幕僚長を経験した方々が名を連ねるなど、専門性と経験を兼ね備えたリーダーシップ体制が敷かれています。
水交会は、全国に11の支部を持ち、各地域での活動も行っています。支部は横須賀、舞鶴、呉、北海道、大湊、下総、湘南、関西、香川、佐世保、鹿児島と多岐にわたります。この各支部は、地域に密着した活動を展開し、会員同士の絆を深めるための場として機能しています。
歴史の背景
水交会は、
1876年(
明治9年)に
海軍省の外郭団体として発足した「水交社」をその起源としています。当初、水交社は海軍
士官の社交や親睦を目的としていたものの、
1945年(
昭和20年)に解散しました。しかし、
1952年(
昭和27年)に有志が集まり再結成され、その後、
1954年に
財団法人「水交会」として正式に設立されました。
設立当初は主に
大日本帝国海軍の
士官に焦点を当てていましたが、時代の変化と共に海軍関係者は減少し、現在の会員の約半数は
海上自衛隊の関係者となっています。会員数は8,000名を超え、その中には現役の海上自衛官や退職者、さらにその遺族や家族も含まれています。
1969年には、会の本部が
東京都の芝白金三光町から
原宿の東郷神社の境内にある水交会館に移転しました。さらに、
1985年には水交会が編纂した『回想の日本海軍』が発行されるなど、歴史的な文化の継承にも寄与しています。
近年の活動
2001年に、
海上自衛隊退職者の団体「海上桜美会」との合併を成し遂げ、2011年には公益
財団法人として再編され、より広範囲な活動が可能になりました。
会長には
海上幕僚長経験者が就任し、近年では
河野克俊氏が2023年6月から新たに理事長に就任しています。歴代のリーダーたちのもと、水交会は今後も海軍の良き伝統を守り続け、さらなる発展を目指して活動を継続していくでしょう。
まとめ
公益
財団法人水交会は、歴史ある海軍伝統を大切にしつつも、現代におけるその役割をしっかりと果たしています。
海上自衛隊の現職や退職者、その家族といった幅広い会員が一堂に会し、互いに支え合いながら、自衛隊の精神と文化を受け継ぐ重要な組織です。