水仁線

水仁線（スインせん）

水仁線は、大韓民国（韓国）の京畿道水原市の水原駅と仁川広域市中区の仁川駅を結ぶ、韓国鉄道公社（KORAIL）の鉄道路線です。ラインカラーは●黄色です。

2020年9月12日の全線開通に伴い、盆唐線との直通運転を開始し、首都圏電鉄水仁・盆唐線として一体的な運行が行われています。

路線データ

複線区間：全線
電化区間：全線（交流25kV, 60Hz・架線集電方式）
車両基地：始興車両事業所
地上区間：漁川駅 - 松島駅間（梧木川駅 - 漁川駅・延寿駅 - 松島駅間の一部を除く）
地下区間：水原駅 - 梧木川駅・松島駅 - 仁川駅（松島駅 - 仁荷大駅間の一部を除く）間
走行方向：左側通行

概要

水仁線は、沿線で産出される塩の運搬を目的として、1937年8月5日に私鉄の朝鮮京東鉄道が水原 - 仁川港（南仁川）間52.0kmを軌間762mm（ナローゲージ）で開通させたのが始まりです。その後、1942年に朝鮮鉄道（私鉄）へ譲渡、独立後の1946年に国有化されました。

しかし、自動車の普及と並行する道路の整備により利用者が減少し、1973年には仁川市街地区間である末端の松島 - 南仁川が廃止され47.0kmとなりました。漢大前 - 安山間では並行してニュータウン新線である安山線が建設され、1988年に開業。水仁線は1994年に水原 - 漢大前間20.2kmだけとなり、1995年末に運行休止、事実上廃止となりました。廃止直前には韓国唯一のナローゲージ路線として鉄道ファンに人気がありました。2000年には安山線が安山から烏耳島まで延伸しています。

その後、水仁線は軌間を1,435mm（標準軌）に変更し、首都圏電鉄の一路線として整備されることになりました。2012年に烏耳島 - 松島間が複線電化で再開業、2014年には達月駅が烏耳島駅と月串駅の間に再開業。2016年には松島 - 仁川間が再開業し（崇義 - 仁川間は新規開業）、2020年には水原 - 漢大前も再開業したことで、漢大前 - 烏耳島間の安山線につながり、水仁線として水原 - 仁川間全線が開通しました。これにより、水仁線と盆唐線は首都圏電鉄水仁・盆唐線として直通運転を開始しました。

車両

狭軌時代

1977年まで狭軌用蒸気機関車と狭軌客車が運行されていました。1965年から廃止までは、仁川工作廠で製造された狭軌用気動車（エンジンはカミンズ製、液体式変速機は新潟鐵工所製）が運用されていました。両運転台で非冷房、全長14100m、幅2153mm、高さ3200mm、最高速度は60km程度でした。

電鉄化後

351000系電車（60番台）

製造直後、2011年の中央線の全車両6両化と増発により、当該区間を走る車両が不足したため、中央線運用に一時的に転出していました。

歴史

1937年8月5日 - 京東線として水原 - 南仁川間が開業。
1942年10月26日 - 朝鮮鉄道（私鉄）に経営権が譲渡。
1946年5月10日 - 国有化され水仁線となる。
1973年7月14日 - 松島 - 南仁川間が廃止。
1977年9月1日 - 蒸気機関車の運行が中止。
1982年12月24日 - 一里 - 古桟間の線路を移設。
1988年10月25日 - 衿井 - 安山間の安山線が開通し、水仁線と並行で運行。
1992年7月20日 - 蘇莱 - 松島間が廃止。
1994年9月1日 - 漢大前 - 蘇莱間が廃止。
1995年12月31日 - 水原 - 漢大前間が廃止され、旧線は全線廃止となる。
2012年6月30日 - 烏耳島 - 松島間が開業。
2016年2月27日 - 松島 - 仁川間が開業。
2017年7月7日 - 急行列車の運行を開始。
2020年9月12日 - 水原 - 烏耳島間が開業。水仁線・盆唐線が首都圏電鉄水仁・盆唐線として直通運転を開始。

駅一覧

●：停車、|：通過
盆唐急行（水原駅 - 古索駅間のみ運行）・緩行はすべての駅に停車するため省略。

狭軌時代

水原駅 - 古索駅 - 梧木駅 - 漁川駅 - 野牧駅 - 浜汀駅 - 四里駅 - 一里駅 - 城頭駅 - 古桟駅 - 元谷駅 - 新吉駅 - 君子駅 - 達月駅 - 蘇萊駅 - 論峴駅 - 南洞駅 - 文鶴駅 - 松島駅 - 龍峴駅 - 南仁川駅

関連項目

韓国鉄道公社
首都圏電鉄
広域電鉄
盆唐線
水驪線

外部リンク

* ミニ列車水仁線

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