水口洋次

水口洋次について

水口 洋次（みずぐち ようじ、1944年7月20日 - 2022年4月10日）は、広島県広島市に生まれたサッカー選手及び指導者です。彼は選手としてのキャリアをヤンマーディーゼルサッカー部で築き、その後、ガンバ大阪の基盤を築くために大きく貢献しました。彼の功績は日本サッカー界における重要な一歩となっています。

経歴

水口は広島国泰寺高校を卒業後、中央大学に進学し、法学部政治学科を卒業した1967年にヤンマーディーゼルに入社しました。当時小柄な選手ではあったものの、彼の卓越したボール捌きは高く評価され、日本最高レベルと称されました。在籍中、彼は親友である釜本邦茂のデビュー初得点をアシストするなど、数々の活躍を見せました。

入社から4年目には監督の鬼武健二の要請により、選手を引退しコーチに就任。水口は鬼武と共にヤンマーの黄金期を築いていきました。ヨーロッパでの技術研修を経て、日本代表の20歳以下の監督を歴任するなど、指導者としても大きな実績を残しました。

1979年にはヤンマーサッカー部の組織変更に伴い「ヤンマークラブ」に転籍し、ここでの監督を務めましたが、クラブは同年に廃部となります。その後、水口は松下電器産業サッカー部の創設に関わります。1980年に松下電器産業サッカー部を設立し、初代監督に就任しました。

設立当初は選手数が不足していたため、選手兼監督としても活動しながらチームを成長させ、1990年には天皇杯全日本サッカー選手権大会で優勝を果たしました。松下電器では、サッカー界へのJリーグ参入を目指し活動が進む中、水口はプロ化準備室にて、1993年のJリーグ発足にむけて大きな役割を果たしました。

水口の指導したチームは、天皇杯三連覇を狙う日産自動車との試合での勝利を通じて、Jリーグ参入への後押しとなったこともありました。しかし1991年、S級ライセンスを取得していなかったことから監督を退任し、その後はガンバ大阪の取締役として長年クラブの発展に寄与しました。1995年にはS級ライセンスを取得し、指導者としての地位を高めました。

2002年には松下電器を定年退社し、その後も様々なチームの監督を務め、特に同年のよさこい高知国体では大阪府選抜を優勝に導くなど、指導者としての能力を発揮しました。2004年には神戸国際大学サッカー部の監督として復帰し、さらに2007年にはガイナーレ鳥取の監督に就任しますが、成績不振を理由に同年8月に辞任しました。

人物と影響

水口のキャリアは日本サッカーの発展に多大な影響を与えました。特に松下電器の設立からJリーグ参入までの過程での彼の役割は非常に重要であり、彼が育てた選手たちも後々のサッカー界に多くの影響を与えています。彼はサッカーの指導だけでなく、選手のメンタルやチーム作りにおいても多くの知見と経験をもたらしました。

水口洋次はサッカー界において名を刻むだけでなく、彼のビジョンと情熱は次世代の指導者や選手たちへと受け継がれ続けています。彼は2022年4月10日に死去しましたが、その功績や影響は決して忘れられることはないでしょう。

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