水戸京王東宝劇場

水戸京王東宝劇場の歴史

水戸京王東宝劇場（みとけいおうとうほうげきじょう）は、茨城県水戸市に位置した名映画館で、長い間地元の文化の中心として親しまれていました。1953年に水戸銀座映画劇場として開業し、その後幾度かの名称変更を経て1989年に水戸サンリオ東宝となり、1992年に閉館しました。

開業からの軌跡

水戸銀座映画劇場は1953年1月に南町242番地で設立されました。当初の支配人である柴田厚氏は、同時期に水戸オデオン座や水戸松竹映画劇場も運営しており、水戸市内にて映画業界を牽引していました。開業当初、観客定員は360名でしたが、1955年には407名に増加し、1966年時には294名となっていました。この時期には水戸市内に8館の映画館が存在しており、多くの映画ファンに支持されていました。

経営権の変遷と名称変更

1960年頃、銀座映画劇場は京王グループに譲渡され、名称を水戸宝塚映画劇場に変更しました。この名でも、主に大映や洋画の作品を上映していたものの、大映の経営悪化に伴い、1969年には東宝系の劇場へと転換し、水戸京王東宝劇場へと改称されました。この頃から、特に怪獣映画や特撮作品、また、山口百恵や三浦友和が主演する作品、さらにはドラえもん映画シリーズなど、多くのヒット作を上映し続けました。

さらなる変遷と閉館

1988年に新宿京王が閉館したことにより、京王グループは映画館事業から撤退を決定しました。これを受けて、1989年には水戸京王東宝がサンリオに譲渡され、水戸サンリオ東宝と改名されます。その後も数年営業を続けましたが、1992年1月26日の『ゴジラvsキングギドラ』の上映を最後に、39年間の歴史に幕を下ろすこととなりました。

劇場跡地の状況

劇場の閉館後、その跡地には1999年にゲームセンター「プレイステージ ウィン」が開業しましたが、2016年に閉店し、現在は駐車場として利用されています。閉館後、県庁所在地でありながら、長い間東宝系の映画館が存在しない状況が続いていましたが、2005年には東宝直営のシネマコンプレックス、TOHOシネマズ水戸内原が開館し、地元の映画ファンに再び多くの映画を提供することとなりました。

まとめ

水戸京王東宝劇場は、その開業から閉館までの39年間にわたり、多くの観客に愛され続けた映画館です。地域文化の一端を担い、様々な映画の上映を通じて人々の心に残る場所であったことは間違いありません。映画館の閉館は寂しい出来事でしたが、その後の新しい映画館の誕生により、水戸市が再び映画文化を享受する場となったことは幸運と言えるでしょう。

もう一度検索