水戸黄門 (ゲーム)

天下のご意見番 水戸黄門

『水戸黄門』は、トーセが開発し、サン電子が1987年から1988年にかけて発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフトのシリーズです。2作品が発売されました。

天下のご意見番 水戸黄門

ゲーム第1作『天下のご意見番 水戸黄門』は、1987年8月11日に発売されました。テレビドラマに準拠した作りで、水戸光圀が助さん・格さんらのお供を引き連れ、諸国を漫遊しながら事件を解決していくという内容です。イメージキャラクターには、ナショナル劇場版で黄門役を務めた西村晃（二代目黄門）が起用され、パッケージ裏面や販促チラシには「テレビの黄門様も太鼓判!!」という推薦メッセージが掲載されました。発売時のTVCMでは「恐れ多くも新発売」「お父さんも遊びたい」というキャッチコピーが使用されました。

タイトル画面や事件解決時には、格さんが印籠を出し、ドラマ版の決め台詞「静まれ、静まれ!! この紋所が目に入らぬか（中略）頭が高い、控えおろう!!」を音声合成で喋ります。ゲームオーバー時には、水戸家老・安藤の声で「残念でしたなぁ、黄門様」という台詞が流れます。その他、民家や店に入った際には「いらっしゃいませ」「らっしゃい!」、的屋で遊んだ際には「あた〜り〜」「はず〜れ〜」といった音声が流れます。当時のファミコンソフトでは、このような長台詞をきちんと喋るというのは珍しく、話題となりました。

ストーリー

水戸の西山荘で隠居生活を送っていた黄門様の元に、各地で悪党が人々を苦しめているという情報が届きます。水戸藩家老・安藤の勧めもあり、黄門様は助さん、格さんを始めとする側近を連れて、再び諸国漫遊の旅に出ることを決意します。

ドラマ版との関連性

ゲーム内のオープニング曲やクリア後のデモには、同ドラマの主題歌『あゝ人生に涙あり』が使用されています。発売時はテレビドラマ第17部の放映開始直前でした。

ゲームの流れ

プレイヤーは格さん（奇数ステージ）または助さん（偶数ステージ）を操作し、町の中で聞き込みをしながら証拠品を集めます。証拠が固まったら（証拠を集めるごとに「てがかり」ゲージが上がり、満タンになると悪事を裁ける）、黄門さまの宿所へ出向き、悪事を裁きます。善人から話を聞いたり、悪人を殴ってひるませてから話を聞いたりする必要があり、相手によっては八兵衛（奇数ステージ）または又平（偶数ステージ）でないと情報を教えてくれなかったり、弥七（奇数ステージ）またはお銀（偶数ステージ）が潜入して謀議を掴まなければならないこともあります。

時間が経過すると日が暮れて調査が打ち切られ、強制的に次のステージへ進みます。全てのステージで事件を解決しないとバッドエンディングになります。最終ステージである7面（水戸）で調査が打ち切られると、解決状況に関わらずゲームオーバーとなります。

ルール

プレイヤーには「ちから」（ライフゲージ）が設定されており、町をうろつく悪人に触れたり、悪人が投げてくる飛び道具を受けると「ちから」が減ります。「ちから」が全て無くなるとゲームオーバーとなります。堀や水に落ちると、「ちから」の残りに関わらず即ゲームオーバーとなります。

町には様々な施設があり、「万屋」でアイテムを購入することでゲームを有利に進めることができます。八兵衛・又平を呼び出すには「お椀」「ふんどし」、弥七・お銀を呼び出すには「風車」「三味線」が必要です。これらのアイテムは、助さん・格さんで悪人を倒すと出現することがあります。弥七・お銀に変身できる時間には制限があり、変身中は「ちから」が時間経過とともに減少します。

悪人を倒すごとに点数が加算され、一定の点数に達すると「ちから」の上限が上がります。助さん・格さんで善人を間違って攻撃してしまうと、所持金が減ってしまいます。

制限時間はゲーム中の時間で7時間です。各ステージを0時00分に出発して、夜の7時00分までに事件を解決する必要があります。時間切れになると、その町の事件調査は中止となり、次の町へ強制的に進みます。

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