水本邦彦

水本 邦彦の略歴と業績

水本邦彦（みずもと くにひこ）は、日本の歴史学の分野において著名な学者であり、1946年11月22日に群馬県桐生市に生まれました。彼は京都府立大学及び長浜バイオ大学の名誉教授として、その豊かな学識を広めてきました。彼の専門分野は日本近世史であり、特に村社会と国家の関係についての研究が高く評価されています。

学歴と職歴

水本氏は、1965年に静岡県立浜松北高等学校を卒業後、1975年には京都大学大学院文学研究科の博士課程を単位取得退学し、そこでの学びを基に1991年に「近世の村社会と国家」で文学博士の学位を取得しました。彼のキャリアは、愛媛大学法文学部での講師としてのスタートを切り、1978年には助教授に昇進。その後、1981年に京都府立大学文学部の助教授となり、1995年には教授に任命されました。2000年から2006年には、文学部長や学生部長を務めました。2009年に定年退職し、その後も長浜バイオ大学で教授職を続けました。

著作

水本氏は、多くの著書を執筆しており、それぞれにおいて近世日本社会のさまざまな側面を探求しています。彼の代表作には次のようなものがあります:

• - 『近世の村社会と国家』（1987年、東京大学出版会）
• - 『近世の郷村自治と行政』（1993年、東京大学出版会）
• - 『絵図と景観の近世』（2002年、校倉書房）
• - 『草山の語る近世』（2003年、日本史リブレット、山川出版社）
• - 『徳川の国家デザイン』（2008年、全集日本の歴史 第10巻、小学館）
• - 『徳川社会論の視座』（2013年、敬文舎）
• - 『村－百姓たちの近世－』（2015年、シリーズ日本近世史 第2巻、岩波新書）
• - 『海辺を行き交うお触れ書き－浦触の語る徳川情報網－』（2019年、歴史文化ライブラリー、吉川弘文館）
• - 『土砂留め奉行－河川災害から地域を守る－』（2022年、歴史文化ライブラリー、吉川弘文館）

これらの著作は、多くの学術的議論を呼び起こし、歴史研究の発展に寄与しています。特に『海辺を行き交うお触れ書き』は、山縣勝見賞を受賞するなど、高い評価を受けました。

共編著と文集

彼はまた、共同編集を行った著書もあります。代表的なものには、『京都府の歴史』（1999年、山川出版社）、『京都と京街道－京都・丹波・丹後－』（2002年、吉川弘文館）、『日本史における情報伝達』（2012年、創風社出版）などがあります。さらに、彼の歴史研究を振り返る記念文集も発表されており、2016年には『近世社会との往還－私の歴史研究－』が出版されました。

まとめ

水本邦彦の業績は、日本の歴史学における重要な一翼を担っており、特に近世日本の村社会についての洞察は、今後の研究においても貴重な資源となるでしょう。彼の豊かな知識と経験は、教育者として多くの学生に影響を与え、また彼の書籍や論文は歴史研究者にとって不可欠な資料となっています。

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