水産試験場

水産試験場とは

水産試験場は、水産資源の適切な管理と利用、水産業の振興を目的として、様々な研究開発や技術指導を行う機関です。国、都道府県、市町村、大学、研究機関、民間企業など、多様な主体によって設置・運営されています。

水産試験場の役割

水産試験場は、以下のような役割を担っています。

資源評価と管理: 水産資源の量や分布、生態などを調査し、資源評価を行います。その結果に基づいて、漁獲量規制や保護対策など、資源管理のための提言を行います。
養殖技術の開発: 魚介類や海藻類の効率的な養殖技術を開発します。新品種の開発や、病害対策、飼料開発なども行います。
漁業技術の改善: 漁船の改良や漁具の開発、漁場の開拓など、漁業技術の改善に取り組みます。省エネルギー化や環境負荷低減にも配慮します。
水産加工技術の開発: 水産物の高付加価値化や、新たな加工食品の開発を行います。品質保持技術や衛生管理技術の向上も目指します。
環境保全: 海洋環境や内水面環境の調査・監視を行い、汚染防止や生態系保全のための対策を検討します。
技術指導と普及: 漁業者や養殖業者に対して、最新の研究成果や技術を普及させるための研修会や講習会を開催します。

全国の水産試験場

日本には、以下のような水産試験場があります。

都道府県立

北海道: 中央水産試験場、函館水産試験場、栽培水産試験場、釧路水産試験場、網走水産試験場、稚内水産試験場
青森県: 水産総合研究センター
岩手県: 水産技術センター
宮城県: 水産技術総合センター
秋田県: 水産振興センター
山形県: 水産試験場、内水面水産試験場
福島県: 水産試験場、内水面水産試験場、水産種苗研究所
茨城県: 水産試験場、内水面水産試験場
栃木県: 水産試験場、なかがわ水遊園
群馬県: 水産試験場
千葉県: 水産総合研究センター
埼玉県: 水産研究所
東京都: 水産試験場（東京都島しょ農林水産総合センター）
神奈川県: 水産技術センター
富山県: 水産試験場
福井県: 水産試験場
山梨県: 水産技術センター
長野県: 水産試験場
静岡県: 水産技術研究所
岐阜県: 水産研究所
愛知県: 水産試験場
三重県: 水産研究所
滋賀県: 水産試験場
京都府: 農林水産技術センター 海洋センター
大阪府: 環境農林水産総合研究所 水産技術センター
兵庫県: 農林水産技術総合センター 水産技術センター
和歌山県: 農林水産総合技術センター
鳥取県: 水産試験場
岡山県: 水産研究所
広島県: 海洋技術センター
徳島県: 農林水産総合技術支援センター水産研究所
香川県: 水産試験場
愛媛県: 農林水産研究所 水産研究センター
高知県: 水産試験場
福岡県: 海洋技術センター
長崎県: 総合水産試験場
熊本県: 水産研究センター
大分県: 農林水産研究指導センター 水産研究部
宮崎県: 水産試験場
鹿児島県: 水産技術開発センター

市立

鳥羽市: 水産研究所
広島市: 水産振興センター
長崎市: 水産センター、水産センター・高島事業所

大学・研究機関立

京都[[大学]]: 舞鶴水産実験所
水産研究・教育機構

廃止された水産試験場

台湾総督府水産試験場: 1929年に台湾各地の水産関連試験場を統合。現在は台湾の行政院農業委員会水産試験所。
樺太庁水産試験場: 1918年設置。イクラ製造の発祥の地。
南洋庁水産試験場: 1937年コロール島に設置。1945年敗戦に伴い機能停止。

まとめ

水産試験場は、水産業の持続的な発展に不可欠な存在です。資源管理、養殖技術、漁業技術、加工技術、環境保全など、幅広い分野で研究開発に取り組み、その成果を社会に還元しています。各地域の水産試験場の活動に注目することで、私たちの食卓を支える水産業の未来が見えてくるでしょう。

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