水疱性口内炎

水疱性口内炎について

水疱性口内炎（すいほうせいこうないえん、英: vesicular stomatitis）は、ラブドウイルス科に属する水疱性口内炎ウイルスが原因となる感染症です。この疾病は、主に牛や馬、豚等の家畜に影響を及ぼすものであり、OIEリストA疾病として国際的に認識されています。また、この病気は日本においても家畜伝染病予防法の下で法定伝染病として指定されています。

対象動物と名称の変更

感染の対象となる動物には牛、水牛、鹿、馬、豚、そして猪が含まれます。この病気の名称は、以前は「水胞性口炎」と呼ばれていましたが、日本獣医学会の見解を受け、「水疱性口内炎」という名称に変更されています。この変更は、より正確な病理学的理解を反映したものと言えるでしょう。

感染経路

水疱性口内炎は、主に感染した動物からの接触感染を通じて広がります。さらに、汚染された物体を介しての経口または経鼻感染も可能です。特に、感染動物の分泌物や、皮膚の損傷を通じた感染が、牛によく見られる現象です。このため、管理された環境においても十分な注意が必要です。

症状

感染した牛においては、水疱やびらんと呼ばれる傷が口腔内やその周辺に形成されることが一般的です。これらの症状は動物の食欲を低下させ、場合によっては全体的な健康状態に深刻な影響を及ぼすことがあるため、早期の発見と対応が求められます。

診断方法

水疱性口内炎の診断には、さまざまな検査方法が用いられます。具体的には、CF反応、HI反応、ELISAといった感染症診断の手法が利用されます。また、偶蹄類の場合には、口蹄疫との鑑別も重要です。この病気は症状が類似しているため、誤診を避けるための正確な診断が必要となります。

参考と関連情報

水疱性口内炎に関する詳しい情報は、清水悠紀臣ほか著『動物の感染症』を参考にすることができます。これに加えて、家畜伝染病や口蹄疫、ウイルス性出血性敗血症（VHS）、牛流行熱、狂犬病、伝染性造血器壊死症（IHN）など、他の関連病気についても理解を深めることが重要です。これらの情報を通じて、家畜の健康管理や予防対策を講じる上での基礎を築くことができるでしょう。

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