水色の時

連続テレビ小説『水色の時』

『水色の時』は1975年4月7日から10月4日まで、NHKで放送された第15作の連続テレビ小説です。この作品は、長野県の松本市と安曇野を舞台にした物語で、医大生を目指すヒロインとその母で看護婦の親子の交流を中心に展開され、家族や人間関係の深さに目を向ける内容になっています。特に、長野県が舞台となるのはこの作品が初めての試みでした。

制作の背景

放送当初から、この番組は新たな試みに挑戦しており、後の連続テレビ小説の放送期間が平均6ヶ月になるきっかけともなった作品です。脚本を担当する石森史郎のこだわりが強く、ヒロインのオーディションでは15名の中からの選考が行われた結果、最終的に大竹しのぶが選ばれました。彼女が作品の雰囲気にぴったりだと判断された石森は、NHKの方針をも覆して彼女の起用を推奨しました。

スタジオ収録はVTR形式で行われ、松本やその周辺でのロケーションはフィルムで撮影されました。これは、映画シナリオライターである石森が新人女優の大竹の魅力を引き出したかったからです。

放送中の平均視聴率は40.1%、最高視聴率は46.8%と、当時の人気の高さがうかがえます。

キャスト

『水色の時』の主要なキャストは以下の通りです。

• - 松宮知子（演 - 大竹しのぶ）：物語のヒロインであり、松宮家の長女です。
• - 松宮房子（演 - 香川京子）：知子の母で、看護婦として働いています。
• - 松宮善市（演 - 米倉斉加年）：知子の父で、民俗資料館の学芸員です。
• - 松宮俊彦（演 - 佐久田修）：知子の兄です。
• - 松宮克彦（演 - 宮田真）：知子の弟です。

その他の登場人物としては、岩沼家や今泉家のキャラクターも重要な役割を果たしています。特に、ヒロインの周囲にいる友人や家族が、物語の展開に大きな影響を与えるのです。

スタッフ

本作の制作において、脚本は石森史郎が手掛け、音楽は桑原研郎が担当しました。また、主題歌「白い風よ」は石森が作詞、桑原が作曲を担当し、歌は桜田淳子が歌っています。語りは岸田今日子が行い、演出は深町幸男と江口浩之によって手がけられました。製作を成島庸夫、美術を小池晴二が担い、技術面では加藤多満喜が関わりました。

現存状況とその後

放送当時は一般家庭に広く普及したビデオ録画器が無く、多くのカットが現存していませんが、NHK内には2インチVTRに保存されている第1回と最終回、そして、いくつかのエピソードが家庭用ビデオで録画されていたため、保存されています。ファンの間ではこの作品は愛され続けており、放送ライブラリーでは第1回が一般に公開されています。

『水色の時』は単なる家族ドラマ以上のもので、視聴者に家族の絆や夢に向かう姿を深く考える機会を提供した作品として、多くの人々の記憶に残っています。

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