水茎岡山城

水茎岡山城

水茎岡山城（みずぐきおかやまじょう）は、滋賀県近江八幡市牧町に位置する日本の城跡です。尾山城、岡山城、九里城といった別名も持っています。

概要

南北朝時代、近江南部を支配していた佐々木氏が、琵琶湖における水上警備を目的として築城しました。頭山、岡山（大山）と呼ばれる山々に連なるように遺構が確認されていますが、築城当時の詳細な規模は明らかになっていません。

歴史

1508年（永正5年）: 室町幕府11代将軍・足利義澄が、城主である九里信隆（六角氏の家臣）を頼って都落ちし、水茎岡山城に入城。この頃から、城の本格的な築城が進められました。
1510年（永正7年）: 幕府軍3000に城を包囲されるも、九里信隆はこれを撃退しました。
1511年（永正8年）: 後に12代将軍となる足利義晴が、この城で誕生しました。また、同年、足利義澄は京都に戻ることなく、水茎岡山城で病没しました。
1514年（永正11年）: 九里信隆が六角高頼によって謀殺されます。
1520年（永正17年）: 九里信隆の子である浄椿が、六角高頼・定頼父子と細川高国の連合軍に敗北し、城は落城しました。当時の公家の日記『二水記』には、六角定頼が九里城を攻めるために、細川高国に五反帆の大船を兵庫津から琵琶湖へ回航させるよう要請したことが記されています。大船は京都から陸路を牛車で運ばれ、その光景は都の人々を驚かせたと伝えられています。
1525年（大永5年）: 九里氏の残党が城に立て籠もりますが、最終的に敗れ、九里氏は滅亡しました。この頃に水茎岡山城は廃城になったと考えられています。

備考

築城当時は、城の周辺一帯が琵琶湖の水面であったため、水茎岡山城は「浮き城」とも呼ばれていました。しかし、第二次世界大戦後の干拓事業によって一帯は埋め立てられ、水田地帯へと姿を変えました。山も掘削され、湖岸道路が建設されたため、周辺環境は大きく変化しています。現在、遺構は竹林となっており、かつて絶景を誇った往時の面影はほとんど残っていません。

関連項目

九里氏
日本の城一覧

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