水谷修 (言語学者)

水谷修（みずたに おさむ）は、1932年12月11日に生まれ、2014年12月20日に逝去した、日本の著名な言語学者です。特に日本語学、日本語教育の分野において、その功績は非常に大きく、教育者、研究者として多岐にわたり活躍しました。

人物像

愛知県名古屋市出身の水谷修は、日本語学、特に日本語教育の分野で指導的な役割を果たしました。日本語教育学会会長や日本言語政策学会会長など、数々の要職を歴任し、日本語教育の国際的な普及と適正化に尽力しました。国際交流基金日本語教育懇談会委員などの役職を通して、日本語能力試験の創設に貢献し、2001年には外務大臣表彰を受賞、2004年には瑞宝中綬章を受章しました。妻である水谷信子もまた、日本語教育の分野で活躍した人物です。

経歴

水谷修は、1956年に名古屋大学教育学部を卒業後、国際基督教大学教養学部の助手としてキャリアをスタートさせました。その後、千葉大学文理学部助手、講師を経て、1963年にはスタンフォード大学日本研究センター語学課程主任を務めました。1973年には、アメリカ・カナダ十二大学連合日本研究センター副所長に就任し、国際的な視点からの日本語研究を深めました。

1974年からは国立国語研究所に籍を置き、日本語教育研究室長、日本語教育センター長、そして1990年には所長として、日本語教育研究を牽引しました。また、教育者としては、1980年に名古屋大学総合言語センター教授に就任し、後進の育成にも力を注ぎました。1998年には名古屋外国語大学大学院国際コミュニケーション研究科教授、研究科長を経て、2002年には同大学の学長に就任しました。2014年、82歳でその生涯を閉じました。

主な公職

水谷修は、学術界だけでなく、社会的な活動にも積極的に携わりました。国際交流基金日本語教育懇談会委員、文化審議会国語分科会元委員、日本語教育学会会長、日本言語政策学会会長、日本語教育振興協会会長、NHK放送用語委員会委員、第19期日本学術会議会員などを歴任しました。また、西安交通大学名誉教授としてもその知識と経験を共有しました。

著書

水谷修は、数多くの著書を執筆・共著しました。単著としては、『はなしことばと日本人（日本語の生態）』や『Japanese: The Spoken Language in Japanese Life』などがあり、日本語の特性や文化とのかかわりを深く掘り下げました。また、『日本語の生態 内の文化を支える話しことば』では、日本語の話し言葉が文化にどのように根ざしているかを探求しました。

共著としては、『An Introduction to Modern Japanese』、『Nihongo Notes 1-9』、『How to Be Polite in Japanese』、『Aural Comprehension Practice in Japanese』、『An Introduction to Newspaper Japanese』、『Travelers' Japanese』などがあり、日本語学習者向けの教材を数多く手掛けました。『外国人の疑問に答える日本語ノート』は水谷信子との共著であり、外国人学習者の視点に立った日本語学習のヒントを提供しました。その他、『日本語教育事典』、『日本語教育ハンドブック』、『日本語百科大事典』、『日本語』、『日本事情ハンドブック』、『新聞で学ぶ日本語 読んで話す現代の日本』、『総合的日本語教育を求めて』など、幅広いテーマで日本語教育、日本語研究の発展に貢献しました。

水谷修の業績は、言語学、日本語教育の分野において、後世に大きな影響を与え続けています。

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