日本語能力試験

日本語能力試験（JLPT）とは

日本語能力試験（JLPT）は、日本語を母語としない人の日本語能力を測るための国際的な語学検定試験です。公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が共同で主催しており、日本国内では日本国際教育支援協会、海外では国際交流基金が現地の機関と協力して試験を実施しています。

試験の概要

この試験は、日本を含む世界92の国と地域で、年に2回（7月と12月）実施されます。受験資格は、日本語を母語としない人であれば、国籍を問わず誰でも受験できます。2023年には過去最高の約126万人が受験し、全レベル合わせて約38%が合格しました。

試験はN1（最上級）からN5（最下級）までの5つのレベルに分かれています。試験問題は全て日本語で記述されており、解答はマークシート方式です。試験後、問題冊子の持ち帰りは認められていません。2010年以降の新しい試験制度は、日本におけるマイノリティのための言語政策にも影響を与えているとされています。

試験の活用

JLPTの成績は、就職、昇給、資格認定など、様々な目的で利用されています。例えば、日本の大学への留学を希望する場合、N1レベルの合格が求められることがあります。また、高度人材ポイント制による出入[[国管理]]上の優遇措置においても、JLPTの成績が加点対象となります。

医療分野では、海外の医科[[大学]]卒業者や医師免許取得者が日本の医師[[国家試験]]を受けるための条件として、N1レベルの認定が必要となります。看護師試験や、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れにも、JLPTの成績が基準として用いられます。

技能実習制度においては、介護職種に限り、N4（1年目）、N3（2年目）の合格が要件とされています。

試験の歴史

JLPTは1984年に始まり、当初は年1回（12月）の実施でした。2009年には年2回に増え、2010年には試験内容が大幅に改定されました。レベルが4段階から5段階に変更され、試験科目や時間、合格点が再編されました。2020年には、新型コロナウイルスの影響で一部の試験が中止されましたが、その後、試験時間の変更などを経て、現在に至ります。

受験者数は、開始当初の7,000人から年々増加し、2023年には約126万人に達しました。

試験のレベル

現在の試験レベルは、N1からN5の5段階で、「N」は日本語（Nihongo）と新しい（New）を意味しています。各レベルは、日本語の運用能力を測るための基準として設定されています。

試験内容

試験では、言語知識（文字、語彙、文法）、読解、聴解の3つの能力を測定します。試験は全てマークシート方式で、話す能力や書く能力を直接測る試験科目はありません。言語知識については、選択肢から正しい読み方や表記を選ぶ問題が出題されます。N1とN2では「言語知識」と「読解」が同一科目として扱われますが、N3,N4,N5では「言語知識」が文字・語彙と文法・読解に分かれています。これはN3,N4,N5では出題される語彙や文法の数が少ないためです。

得点と合格

得点は「尺度点」によって算出され、試験の難易度に関わらず、同じ能力であれば同じ得点になります。合格には、総合得点と各得点区分（言語知識、読解、聴解）で基準点を超える必要があります。N4とN5では、言語知識と読解の得点が統合されています。

受験申し込み

日本国内での受験申し込みは、年2回（4月と9月）に受付が行われます。受験料は6,500円です。インターネットで申し込みをする場合は、MyJLPTへの登録が必要です。海外での申し込みは、現地機関が独自に行うため、締め切り日などが異なります。

合否結果

試験結果は、試験翌月の下旬にウェブサイトで確認できます。国内受験者には圧着はがきで「合否結果通知書」が送付されます。国外受験者には、試験の翌々月上旬に成績書類が発送されます。

成績証明書の偽造問題に対し、日本政府は厳格な審査を実施しています。

受験者数（国別）

2023年の海外受験者数では、ミャンマーが中国に次いで2番目に多くなりました。東南アジアでは日本での就労を目指す人が多いため、受験者数が多い傾向にあります。また、上級レベルのN1・N2は東アジア諸国、中級レベル以下のN3・N4・N5は東南アジア・南アジア諸国での受験者が多くなっています。

旧試験について

1984年から2009年まで実施された旧試験の内容については、現在の試験とは異なる点が多々ありました。

参考情報

詳細については、以下の公式サイトをご参照ください。

公式ウェブサイト
日本国際教育支援協会 国内受験者用ウェブサイト

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