水野清一

水野 清一について

水野 清一は、1905年3月24日に兵庫県神戸市で生まれた日本の考古学者です。彼は京都大学で学び、文学博士の学位を取得し、特に中国の石窟芸術に関する研究で知られています。様々な教員や同僚との交流を通じてその研究を深める一方で、戦前および戦後の調査活動により、考古学の視座から卒業論文の発表や著作を行いました。

経歴

水野は1928年に京都帝国大学文学部史学科を卒業し、濱田耕作教授の指導を受けて学びました。卒業後は東亜考古学会の留学生として中国の北京に留学し、その地での研究が彼の考古学者としての道を決定づけました。戦前には、東方文化研究所で中国の石窟寺院研究に従事し、特に龍門石窟や雲崗石窟の発掘調査に携わりました。

戦後は、1949年に京都大学人文科学研究所の教授となり、そこで雲崗石窟の研究に基づいた著作をまとめました。これにより彼は多大な評価を受け、1952年には共同研究『雲岡石窟』を発表しました。1962年には文学博士の学位を取得し、1968年に同大学を定年退官しました。退官後は名誉教授に就任しましたが、1971年に肝硬変により他界しました。

賞と栄典

水野 清一はその業績に対して多くの賞を受けています。特に1951年には朝日賞を受賞し、雲岡に関する研究で高く評価されました。また、1952年には日本学士院賞および恩賜賞も受賞しています。

研究内容

水野の研究は、主に中国の石窟寺院に焦点を当てていますが、戦後の時期にはその活動の幅を広げ、古代朝鮮や大陸文化の影響を受けた地域の研究を行うようになりました。次第に中央アジアの調査活動も進め、「京都大学イラン・アフガニスタン・パキスタン学術調査隊」の活動を通じて新たな知見を得ました。彼の研究成果は、考古学の発展に貢献し、多くの後進の研究者にも影響を与えました。

主な著作

水野が執筆した著作は数多く、特に『雲岡石窟とその時代』や『中国の彫刻 石仏・金銅仏』などは広く知られています。彼の著書や共著には、中国の歴史や文化、考古学における重要なテーマが扱われています。出版された研究により、彼の考古学に対する貢献が広く認識されています。また、中国の石窟の美術や建築に関する著作や、中央アジア地域の文化的調査にも携わりました。

水野 清一の業績は、考古学の発展に寄与し続け、彼の貢献は今後も多くの研究者によって受け継がれていくことでしょう。彼の遺した業績は、日本国内外における考古学の重要な基盤を築くものとして高く評価されています。

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