水鏡天満宮

水鏡天満宮について

水鏡天満宮（すいきょうてんまんぐう）は、福岡県福岡市中央区天神一丁目に位置する天満宮の一つで、社格は村社に分類されています。
この神社は特に菅原道真に由来するものであり、道真が左遷される途中に博多に上陸した際、彼が見た水面に映る自らの姿に哀しみを感じたという伝説からその名が付けられました。また、道真の移動先である大宰府に向かう途中、庄村（現・中央区今泉）の水面で自分の疲れた姿を見て悲しむ様子が描かれています。これは「死時有川」として伝わっています。

この水鏡天満宮は、江戸時代初期の慶長17年（1612年）に、福岡藩初代藩主の黒田長政によって、福岡城の鬼門にあたる現在の地に移転されました。「天神」とは菅原道真を指し、福岡市内の「天神」という地名もこの天満宮からの由来があると言われています。

祭事と社宝

水鏡天満宮の年間行事には、主に夏祭りと秋祭りがあります。夏祭りは毎年7月の24日と25日に行われ、秋祭りは10月の24日と25日に開催されます。

社宝としては、享保14年（1729年）に大仏師正慶によって作られた木彫の渡唐天神像が県指定の文化財として認定されています。また、延宝2年（1674年）に大鳥居信祐が制作した水鏡天満宮縁起や、狩野栄川院法印典信による綱敷天神像も重要な文化財とされています。さらに、鳥居扁額は、貴族院副議長であり修猷館館長の侯爵黒田長成や、昭和の首相である広田弘毅の手によるものとされています。

境内と摂末社

水鏡天満宮の境内には、いくつかの摂末社（境内社）があります。その中には末社合祀殿があり、ここには大黒社、秋葉社、金刀比羅社、宮地嶽社が合祀されています。また、荒木田稲荷神社も境内に設置されています。

アクセス

水鏡天満宮へは交通手段も豊富です。最寄りの駅は西日本鉄道の西鉄福岡（天神）駅で、そこから徒歩で約5分で到着します。また、福岡市営地下鉄の中洲川端駅および天神駅からも同じく徒歩5分の距離です。バスをご利用の方は、最寄りの西鉄バス「アクロス福岡・水鏡天満宮前」バス停で下車すると、すぐ近くに神社があります。

水鏡天満宮は、歴史的な背景や神社としての重要な伝承を持つ場所であり、多くの訪問者を迎え入れています。その独自の文化や信仰を体感できる貴重なスポットです。

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