氷上志計志麻呂

氷上 志計志麻呂の生涯と伝承

氷上 志計志麻呂（ひがみ の しけしまろ）は奈良時代の貴族であり、天武天皇の曾孫として秘めた背景を持つ人物です。彼は父の氷上塩焼と共に波瀾万丈の人生を歩んだと言われています。本記事では、志計志麻呂の生涯やその後の運命について詳しい情報をお伝えします。

出自と経歴

父・氷上塩焼は、天平宝字2年（758年）に氷上真人の姓を賜り、臣籍降下して新たな生活を送ることとなりました。しかし、志計志麻呂の誕生時期については、その前か後かが不明なままで確定していません。塩焼が天皇に擁立される際、藤原仲麻呂によって命を奪われる事件が起こります。この事件のため、志計志麻呂と母・不破内親王は連座を免れることができました。

志計志麻呂の母・不破内親王は、称徳天皇と異母姉妹の立場にあり、この縁が彼らを救ったのです。彼と彼の母は、神護景雲3年（769年）に不破内親王と共に称徳天皇に怨恨を抱き、呪詛の儀式を行ったとして捕まります。その内容は、天皇の髪の毛を盗み、宮中で儀式を行ったというものでした。この事件は後に大きな波紋を呼び、不破内親王は身分を剥奪され、志計志麻呂も土佐国へ配流されることとなったのです。

事件の影響とその後

宝亀2年（771年）、不破内親王に対する告発が偽りであったことが判明し、彼女は赦免されましたが、志計志麻呂についてはその後の消息が不明のままです。この時世の中での彼の立場は不幸なものであり、後の記録でも赦免に関する記述は存在しません。

志計志麻呂に関連する伝承も存在しますが、彼の生涯は謎に包まれたものとなっています。また、志計志麻呂の弟とされる氷上川継についての言説もあり、二人が同一人物であるとの説が提起されています。志計志麻呂が配流された後に姿を消し、川継がその10年後に初めて記録に残ることから、解明はさらに難航して状態です。

伝承とその影響

高知県須崎市の野見地区には、彼が配流されていたとの伝承が残っています。その地には志計志麻呂の供養塔があるとされ、地域の歴史に大きな影響を与えたことが伺えます。このように、志計志麻呂は奈良時代における重要な歴史的存在であり、その生涯は多くの人々に影響を与え続けています。彼の物語は、権力の中に生きた一筋の悲劇として語り継がれているのです。

系譜

• - 父: 氷上塩焼
• - 母: 不破内親王（聖武天皇の皇女）
• - 妻: 不詳

志計志麻呂の物語は、王族の背景を持ちながらも悲劇的な運命を辿り、奈良時代の貴族社会の複雑性を浮き彫りにしています。この歴史的人物の詳細についての研究が進むことを期待したいと思います。

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