永井由佳里

永井由佳里

永井由佳里（ながい ゆかり）氏は、情報学と哲学の分野で顕著な業績を上げている日本の研究者です。現在は、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学において理事および副学長という重責を担い、大学運営の中枢を担っています。さらに、創造性研究をリードする日本創造学会の会長、そして日本の学術政策に提言を行う日本学術会議の会員としても活動しており、その影響力は学術界全体に及んでいます。

経歴と学歴

永井氏のキャリアは、多岐にわたる学びの探求から始まりました。熊本県立済々黌高等学校を卒業後、武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科に進学し、1986年に同学部を卒業しています。さらに学びを深めるべく、同大学大学院造形学研究科デザイン専攻に進み、1990年に修士課程を修了し、造形学修士の学位を取得しました。その後、研究領域を広げ、2002年には千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程を修了し、博士（学術）の学位を得ています。また、国際的な視点も重視し、2009年にはシドニー工科大学でPh.D.を取得するなど、国内外の異なる機関で高度な専門性を磨き上げました。

職務経歴

教育・研究者としてのキャリアは、1999年に筑波技術短期大学デザイン学科の講師としてスタートしました。2004年には同大学の助教授に昇進しましたが、同年中に北陸先端科学技術大学院大学へと活躍の場を移し、助教授として着任します。その後、2007年には准教授に昇任し、教育・研究における貢献を重ねました。2011年には同大学の教授となり、自身の研究室を率いる立場となります。大学内でのリーダーシップも発揮し、2014年には知識科学研究科長に就任し、研究科の運営を統括しました。さらに、2016年には副学長（教育改革担当）およびイノベーションデザイン国際研究センター長を兼任し、大学全体の教育システムの改善や新たな研究分野の開拓に尽力しました。2019年からは理事（研究・国際担当）および副学長として、大学の研究活動の推進と国際交流の強化という、より広範かつ重要な役割を担っています。

学会活動と社会貢献

永井氏は、所属する大学での職務に加え、様々な学術団体での活動を通して社会に貢献しています。2018年には日本学術会議の連携会員となり、学術的な知見を社会に還元する役割を担いました。2023年には同会議の会員に選出され、日本の学術振興政策における提言活動に深く関わるようになります。また、創造性研究の第一人者として、日本創造学会においては2020年に理事長を務め、組織運営に貢献しました。そして2023年には同会の会長に就任し、日本の創造性研究の発展を牽引しています。情報学と哲学という専門領域を活かし、学術研究、教育、大学運営、学会活動と、多方面から日本の学術界および社会の発展に寄与しています。

受賞歴

その卓越した研究成果と貢献は、数多くの受賞によって認められています。

Excellent Contribution賞 (デザインソサエティ, 2002年)
優秀論文賞 (Design Computing and Cognition, 2006年)
The Best Paper Award (KICSS, 2016年)
Top 10% Paper Award (The Design Society, ICDC Programme Committee, 2018年)
Best Presentation Award (KICSS2018, 2018年)
Best Paper Award (KICSS2019, 2019年)
The Most Read Paper Award (International Journal of Design Creativity and Innovation, 2019年)
芸術工学会奨励賞 (2020年)

これらの受賞歴は、永井氏の研究が国内外で高く評価されていることを示しています。永井由佳里氏は、自身の専門知識とリーダーシップをもって、教育・研究機関、そして学術界全体に多大な貢献を続けている、日本を代表する情報学者・哲学者の一人です。

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