永井直輝

永井直輝は、文政10年（1827年）に生まれ、摂津高槻藩の第11代藩主を務めた人物です。

略歴

第10代藩主であった永井直与の次男として生を受けました。兄の早世により嫡子となり、天保13年（1842年）に父の隠居を受けて家督を相続し藩主となりました。同年には従五位下遠江守に叙任され、後に飛騨守に転任しています。藩主として、幕領3万2309石を預かることとなりました。

嘉永元年（1848年）と安政元年（1854年）には、京都火消役を命じられています。当時の京都は、火災が頻発しており、その鎮火活動は重要な任務でした。

直輝は藩の財政再建を目指し、藩政改革に取り組みました。しかし、江戸藩邸の焼失、安政の大地震、大風雨といった自然災害が相次ぎ、藩に大きな被害をもたらしたため、改革は志半ばで頓挫してしまいました。嘉永6年（1853年）のペリー来航の際には、鎖国体制下におけるオランダとの通商関係の強化を幕府に提言するなど、国際情勢にも関心を示していました。

文久元年（1861年）に隠居し、養子の直矢に家督を譲りました。その後、明治7年（1874年）に48歳で死去しています。

直輝は、藩政改革に奔走しながらも、天災に翻弄された藩主でした。しかし、その治世において、国際情勢にも目を向け、幕府に提言を行うなど、見識の高さも持ち合わせていたことがうかがえます。

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