永井義雄

永井義雄について

永井義雄（ながい よしお、1931年11月25日 - ）は、日本の経済学史学者であり、名古屋大学の名誉教授です。経済学史と社会思想史を専門とし、特に18世紀から19世紀にかけてのイギリス社会思想の研究に深く携わりました。

学歴と職歴

愛知県で生まれた永井氏は、1954年3月に名古屋大学経済学部を卒業、1959年には同大学大学院経済学研究科の博士課程を修了しました。その後、名古屋大学経済学部の助手として採用され、水田洋に師事しました。1961年には名古屋市立女子短期大学の講師、1963年には同短期大学の助教授に就任し、同年「イギリス急進主義の研究」で名古屋大学から経済学博士号を取得しました。

1965年、金沢大学教養部の助教授となり、1975年に同教授に昇進しました。1981年には名古屋大学経済学部の教授に転任し、1983年から金沢大学の教授を兼任しました。1984年には名古屋大学経済学部の教授に専任となり、1990年には一橋大学社会科学古典資料センターの教授に就任しました。1994年には名古屋大学名誉教授の称号を受け、1995年に一橋大学を定年退職しました。その後、関東学院大学経済学部教授として教鞭を執り、2002年に同大学を定年退職しました。

研究内容

永井氏の研究は、ロバート・オウエンやジェレミー・ベンサムといったイギリスの社会思想家を中心に展開されています。特に、ロバート・オウエンの社会主義思想やベンサムの功利主義思想に対する深い理解に基づいた研究は、学界でも高く評価されています。また、これらの思想が近代社会に与えた影響についても、多角的な視点から分析を行っています。

著書と翻訳

永井氏は、数多くの著書や翻訳を手がけており、その研究成果は広く公開されています。主な著書には、『イギリス急進主義の研究』、『ロバート・オーエン試論集』、『人類の知的遺産 44.ベンサム』、『ロバアト・オウエンと近代社会主義』、『イギリス近代社会思想史研究』、『自由と調和を求めて』、『近代的理念の移入と屈折』、『ベンサム』などがあります。これらの著書は、イギリス社会思想史における重要な文献として広く読まれています。

また、翻訳にも積極的に取り組み、エドマンド・バーク、ロバート・オーエン、リチャード・プライス、ジョン・スチュアート・ミル、エリック・ホブズボーム、アダム・スミスなど、著名な思想家の著作を日本語に翻訳し、日本の研究者や学生が海外の思想に触れる機会を提供しました。

その他の活動

永井氏は、研究活動の傍ら、後進の育成にも力を注ぎました。名古屋大学や一橋大学、関東学院大学での教育活動を通じて、多くの学生や研究者を育て上げました。また、学会や研究会などでも積極的に活動し、経済学史や社会思想史の発展に大きく貢献しました。

永井義雄の業績は、経済学史および社会思想史研究において不可欠なものとなっており、その知的な遺産は、今後も多くの研究者によって引き継がれていくでしょう。

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