永井道雄

永井道雄の生涯と業績

永井道雄（1923年3月4日 - 2000年3月17日）は、日本の著名な教育社会学者であり、文部大臣（第95代）としても広く知られています。彼は戦前の政治家・永井柳太郎の次男として東京で生まれました。

学歴と職歴

東京高等師範学校附属小学校を卒業し、当時の同級生には哲学者の鶴見俊輔や作家の中井英夫がいました。その後、東京高等師範学校附属中学校および旧制武蔵高校を経て、京都帝国大学文学部を卒業しました。卒業後は、京都大学の人文科学研究所の助手として勤務し、その後アメリカへ留学。1952年にはオハイオ州立大学で教育社会学の博士号（Ph.D.）を取得しました。

その後、京都大学教育学部助教授として教壇に立ち、ドナルド・キーンと親友となります。1957年には東京工業大学に移籍し、1970年に退職。以降は朝日新聞社の論説委員として活動を開始します。

大学紛争と教育改革

永井は大学紛争の影響を受け、自らも教育の実践的改革に取り組みます。国際基督教大学の事務長である飯田宗一郎との協力のもと、八王子に大学セミナーハウスを開設し、そこで教育共同ゼミナールを主催しました。この取り組みにより、教育の新たな方向性を模索し続けました。

文部大臣としての活躍

1974年、三木内閣で文部大臣に任命され、民間人が閣僚を務めるのは17年ぶりのことでした。彼の在任期間中には、学校での主任制導入や国連大学の誘致など、多くの教育制度改革を推進しました。三木武夫首相が内閣改造を行った1976年でも永井は留任し、同年12月まで文相としての役割を果たしました。

文相退任後の寄与

文相退任後は再び朝日新聞社に戻り、客員論説委員や国連大学学長特別顧問、国際文化会館理事長として活動しました。1993年には勲一等旭日大綬章を受章し、1996年からは世界平和アピール七人委員会の委員としても名を連ねました。

晩年

1997年、友人である嶋中鵬二の葬儀に参列した後、健康を害し病床に伏しました。そして2000年3月17日、77歳で生涯を閉じました。

著書と貢献

永井の著作には『文部省と日教組』（1958年）、『新教育論』（1958年）、『日本の大学 産業社会にはたす役割』（1965年、毎日出版文化賞受賞）などがあります。また、彼は教育改革に関する論文や著書を数多く発表し、日本の教育界に多大な影響を与えました。特に、教育制度の改善や教授法に関する考察は、多くの後進に引き継がれています。彼の業績は、教育の未来を切り拓くための重要な礎となりました。

今後も彼の思想は教育界において語り継がれていくことでしょう。

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