嶋中鵬二

嶋中鵬二 (しまなか ほうじ)

基本情報

嶋中鵬二（1923年2月7日 - 1997年4月3日）は、日本の出版社である中央公論社の社長として知られ、戦後の出版界において重要な役割を果たしました。彼の経歴や業績、そして晩年に起こった困難について詳しく見ていきます。

来歴

嶋中は東京高等師範学校附属小学校を卒業後、東京帝国大学文学部独文科に入学し、戦時中は中島飛行機の研究所で勤労動員として働いていました。1949年、父である嶋中雄作が亡くなり、兄の嶋中晨也も病死したため、わずか26歳で中央公論社の社長に就任しました。

出版界での業績

社長就任後、嶋中は中央公論社を発展させるために尽力しました。特に、1956年には東京都中央区に自社ビルを建設し、1965年から1967年には『日本の歴史』シリーズを発刊し、好評を博しました。

1961年には「嶋中事件」と呼ばれる悲劇が発生し、自宅に侵入した青少年によって家政婦が刺殺されるという事件が起こりました。この出来事は彼の家族にとって大きな影響を及ぼしました。

また、1962年には『思想の科学』が原因で言論界で波紋を呼ぶこととなり、出版業界の難しさを物語る出来事でもありました。

批判と問題

1984年には、「アメリカのマスコミを牛耳るユダヤ人たち」という記事が物議を醸し、アメリカのユダヤ人団体から抗議を受けました。この事件は、嶋中が発表した内容が政治的に敏感なものであることを示しています。

晩年とその後

1994年には社長の座を長男の行雄に譲り、中央公論社会長としての地位に就きました。しかし、1996年には行雄が解任され、社長ポストが空席になるという出来事が発生します。これに続いて、1997年4月3日には約150億円の負債を残して死去しました。

彼の死去後、妻の雅子が会長に就任し、翌年には社長も兼任することになります。また、1999年には中央公論社が読売新聞社の傘下となり、新たに中央公論新社が設立されることとなりました。

まとめ

嶋中鵬二は、中央公論社において多くの業績を残した一方で、経営上の困難や個人的な悲劇に見舞われた人物でした。彼の存在とその影響は、戦後の日本の出版界において、今なお語り継がれています。

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