永和商事ウイング硬式野球部

永和商事ウイング硬式野球部

永和商事ウイング硬式野球部（えいわしょうじウイングこうしきやきゅうぶ）は、かつて三重県四日市市を拠点に活動していた社会人野球の企業チームです。東海地方を中心にパチンコ店事業を展開する永和商事が運営母体となり、日本野球連盟に加盟していました。チーム名の「ウイング」は、運営母体である永和商事が展開する店舗ブランド「wing」に由来しています。

設立と歩み

創部から全国大会出場へ

地域社会への貢献と活性化を目指し、永和商事によって硬式野球部が設立されたのは2011年のことです。同年11月には、企業チームとして正式に日本野球連盟に新規登録され、チームとしての活動を本格化させました。

チーム設立にあたり、指導者には実績のある人物が招聘されました。初代監督には、同じ三重県内で活動する強豪、Honda鈴鹿を率いて1994年の都市対抗野球大会で優勝経験を持つ高橋博昭氏が就任。さらに、ソウル五輪およびバルセロナ五輪で日本代表としてメダルを獲得した実績を持つ西正文氏がコーチとしてチームに加わるなど、強力な布陣でスタートを切りました。

設立からわずか3年目の2014年、チームは早くも躍進を見せます。都市対抗野球の東海地区2次予選において、強豪として知られるヤマハを相手に2度勝利するなど快進撃を展開し、見事に東海地区第5代表の座を獲得しました。これにより、チームにとって念願であった都市対抗野球本戦への初出場を果たしました。本戦では惜しくも初戦で敗退しましたが、短期間での全国大会出場は大きな注目を集めました。

全国での活躍と休部

翌2015年には、前年までコーチを務めた西正文氏が監督兼コーディネーターに就任し、チーム体制を強化しました。この年もチームの勢いは衰えず、都市対抗野球の東海地区2次予選を再び突破。特に、同じ三重県のライバルであるHonda鈴鹿を相手に2度勝利するなど、高い実力を見せつけ、東海地区第4代表として2年連続での本戦出場を決めました。

さらに、この年は秋に開催される社会人野球日本選手権にも初出場を果たします。全国の強豪が集う舞台で、初戦（2回戦）を突破し、チーム史上初となる全国大会での1勝を挙げました。この時期が、チームの最も輝かしい活動期間と言えるでしょう。

チームには、元プロ野球選手も在籍していました。2014年から2020年にかけて、広島東洋カープに所属経験のある宮崎充登氏がコーチとしてチームを指導し、若手選手の育成に貢献しました。

活動休止と連盟脱退

全国大会出場を経験するなど、着実に実績を積み重ねてきた永和商事ウイング硬式野球部でしたが、2020年7月28日、チームはそのシーズン限りでの無期限休部を発表しました。そして同年12月25日をもって正式に活動を休止しました。その後、2022年9月2日には日本野球連盟からも脱退し、約10年間のチームの歴史に幕を下ろしました。

主要大会出場歴

チームの主要な大会出場歴は以下の通りです。

都市対抗野球大会：出場2回（2014年、2015年）
社会人野球日本選手権大会：出場1回（2015年、全国1勝）

短期間の活動期間ながら、社会人野球の二大全国大会に出場し、全国大会での勝利も記録するなど、その存在感を示したチームでした。

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