西正文

西 正文について

西 正文（にし まさふみ）は1960年11月25日に生まれた兵庫県出身の元アマチュア野球選手で、ポジションは二塁手でした。彼は小柄ながらもその技術と運動能力で知られ、特に走攻守において素晴らしい才能を発揮し、日本代表としてソウルオリンピックとバルセロナオリンピックの2大会に連続で出場した唯一の選手です。

学生時代

西は浦風小学校で野球を始め、その後小田南中学校を経て尼崎小田高校に進学しました。しかし、高校の野球部は強豪ではなく、当時は公務員になることも視野に入れていたといいます。環境はそれほど充実していなかったものの、自ら考えて練習に取り組む姿勢を大切にした彼は、1978年の夏の兵庫大会で東洋大姫路と対戦し、2-3で惜敗。この試合を観戦していた大阪ガスの関係者からの勧めもあり、1980年には同社の野球部のセレクションを受け、見事合格を果たしました。

社会人時代

1979年に大阪ガスに入社した西は、社会人野球において実力を磨きましたが、当初はチームの成績が振るわず都市対抗野球大会の大阪府予選では敗退が続いたものの、彼の実力や意識の高さは徐々に認められていきました。その努力が実り、1984年にはロサンゼルスオリンピックの日本代表選手として最終候補に残るまでになり、1985年には日本生命の補強選手として都市対抗野球大会に初出場を果たしました。

1986年には大阪予選を突破し、都市対抗本大会でもベスト8に進出。その後、1988年のソウルオリンピック日本代表に選出され、主に遊撃手として出場しました。準決勝の韓国戦での1打点を含む活躍で、チームは銀メダルを獲得しました。決勝のアメリカ戦では最後の打者となりましたが、多くの選手がプロ入りしたことも影響し、彼は引き続きバルセロナオリンピックへの出場を目指しました。

1991年、バルセロナ五輪のアジア予選では31歳で最年長選手として出場し、台湾戦でのサヨナラヒットで五輪出場権を獲得しました。バルセロナ大会では全9試合中6試合に出場し、打率.526という高い成績を収めるなど、3位決定戦でも貢献し銅メダルを獲得するに至りました。

現役引退後

引退後、西は1995年に都市対抗出場を果たせず、同年に野球部を退部しましたが、1999年からは日本野球連盟の競技力向上委員として活動を開始。2004年には大阪ガスを退社し、日本代表の守備走塁コーチとしてハーレム大会に参加し、2007年には日本代表監督を務めました。

その後、大阪府の専門学校チームである履正社学園の監督を3年間、そして2012年に設立された永和商事ウイングでコーチを経て、2015年からは監督兼コーディネーターに就任しました。しかし、2020年にはチームが無期限休部となり退任。2021年4月からはびわこ成蹊スポーツ大学でのコーチとして活動しています。

主な記録・表彰

• - 社会人ベストナイン特別表彰: 1992年
• - 都市対抗野球大会10年連続出場: 1993年

このように、西正文は選手としての実績だけでなく、指導者としても野球界に貢献してきた人物であり、彼の影響は多くの若手選手に受け継がれています。

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