永慶帝

後廃帝（こうはいてい）について

後廃帝、または永慶帝は、ベトナムの後黎朝における重要な皇帝の一人で、彼の治世は多くの波乱に満ちています。名は黎維祊（レ・ズイ・フォン）で、彼は裕宗の次男として生まれました。彼の母は正宮の鄭氏玉欉であり、定南王鄭根の子、提郡公鄭閏の長女です。

即位の経緯

後廃帝は保泰8年7月8日（1727年8月24日）に立太子され、保泰10年4月21日（1729年5月18日）には、安都王鄭棡による脅迫を受けた父帝から譲位され、21歳という若さで即位しました。彼の治世の元号は「永慶」であり、その名は彼の政治的意気込みを反映しています。即位後、鄭棡の娘である鄭氏玉㮒を皇后として迎え入れ、彼の統治初期には安定した政権を築く期待が寄せられました。

政治的な課題

しかし、彼の治世は長続きせず、永慶4年（1732年）には威南王鄭杠の反乱により「淫恣無忌」として廃位されました。廃位後、彼は昏徳公に降封され、幽閉されるという不名誉な状況に陥りました。これは、後黎朝内部の権力闘争といった複雑な背景が関与しているものと考えられています。

最期の悲劇

後廃帝は廃位後も権力争いに巻き込まれ、彼の兄の純宗の死後、永佑元年（1735年）には鄭杠によって送られた者により縊殺されます。その後、彼は永佑6年（1740年）に青池県金縷社、現在のハノイ市ホアンマイ区ダイキム坊に葬られました。彼の急逝は、後黎朝の動乱を象徴する出来事の一つとして歴史に刻まれています。

まとめ

後廃帝の人生は、ベトナムの歴史における権力の脆弱さを示す例と言えるでしょう。若くして即位するも、内部の権力争いに苦しみ、短命に終わった彼の治世は、後黎朝の歴史の中でも記憶される物語の一つです。彼の悲劇的な運命は、権力と名誉が一時的なものであることを知らせてくれます。

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