永暦 (南明)

永暦（えいれき）は、中国の南明政権（明の亡命政権）において、永暦帝こと朱由榔（しゅ ゆろう）の治世に使用された年号です。その期間は1647年から1662年までとされています。南明政権は、1662年に完全に滅亡しましたが、その後も台湾を拠点とする鄭氏政権によって、1683年まで永暦の年号が使用され続けました。

永暦への改元

永暦への改元は、隆武（りゅうぶ）2年11月18日（西暦1646年12月24日）に、永明王（えいめいおう）であった朱由榔が皇帝（永暦帝）として即位したことに伴い行われました。中国の伝統的な踰年改元法（ゆねんかいげんほう）に基づき、翌年の元日をもって永暦元年と定められました。この改元により、南明政権は新たな時代を迎えることとなりました。

南明の滅亡とその後

永暦16年4月15日（西暦1662年6月1日）、南明最後の皇帝である永暦帝は、呉三桂（ご さんけい）によって処刑されました。この出来事は、南明政権の終焉を意味しますが、特筆すべきは、台湾の鄭氏政権がその後も永暦の年号を使用し続けたという事実です。これは、南明の遺志を受け継ぐという政治的な意味合いと、鄭氏政権の独立性を表す象徴的な行為でした。

鄭氏政権の滅亡と永暦の終焉

永暦37年（西暦1683年）、鄭氏政権は、鄭克塽（てい こくそう）が清に降伏したことで滅亡しました。これにより、永暦の年号は、その歴史的な役割を終えることとなりました。

永暦と西暦の対照

永暦の期間は、西暦で1647年から1683年に相当します。これは、南明政権と鄭氏政権が、それぞれ異なる期間で永暦を使用していたことを示しています。

関連事項

永暦 (日本): 日本にも同じ「永暦」という元号が存在しますが、これは中国の永暦とは異なるものです。
元号一覧 (台湾): 台湾で使用された元号の一覧には、永暦も含まれています。これは、鄭氏政権が南明の年号を継承していた歴史を反映しています。

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