隆武

隆武（りゅうぶ）は、17世紀中頃の中国において、南[[明]]政権の隆武帝、朱聿鍵（しゅ いつけん）が使用した年号です。この年号が用いられた期間は、1645年7月から1646年までの短い期間でした。明朝が滅亡した後、各地で明の復興を目指す勢力が立ち上がる中で、隆武政権もその一つとして登場しました。

隆武への改元

1645年、明の弘光帝が清軍に捕らえられるという事態が発生しました。これにより、明朝の再興を目指す勢力は新たな皇帝を立てる必要に迫られました。そこで、福州において唐王であった朱聿鍵が皇帝に即位し、隆武帝と称しました。この即位に伴い、年号は「隆武」と定められ、弘光元年の閏6月15日（西暦1645年7月1日）をもって改元が行われました。

しかし、隆武帝の治世も長くは続きませんでした。隆武2年（1646年）8月28日、隆武帝自身も清軍に捕らえられてしまいます。これにより、隆武政権は大きな危機に直面しました。

隆武帝が捕らえられた後、彼の弟である朱聿𨮁（しゅ いつく）が、同年11月5日に広州で即位しました。彼が紹武帝です。紹武帝は、新たな年号を「紹武」と定め、踰年改元法に従い、翌年1647年1月1日をもって紹武元年に改元する予定でした。しかし、紹武帝の治世もまた短命に終わります。12月15日、清軍の攻撃を受け、紹武帝は自害してしまいました。結果として、紹武という年号が実際に使用されることはありませんでした。

この混乱の中、弘光帝の従兄弟にあたる永明王朱由榔（しゅ ゆろう）も、1646年11月18日に肇慶で皇帝に即位し、永暦帝と称しました。永暦帝は、年号を「永暦」と定め、踰年改元法に則り、翌年1月1日をもって永暦元年に改元しました。

西暦との対応

隆武の時代は西暦で1645年から1646年にあたります。この期間は、中国史において非常に混乱した時期であり、各地で様々な勢力が興亡を繰り返していました。

南[[明]]の動向

隆武帝の即位は、明朝の再興を望む人々にとって希望の光となりました。しかし、その勢力は限定的であり、清軍の圧倒的な軍事力に押される形で、短期間でその終焉を迎えることとなりました。南[[明]]の歴史は、明朝の滅亡という大きな歴史の流れの中で、その残滓がもがき、抵抗した時代と言えるでしょう。

まとめ

隆武という年号は、南[[明]]政権の隆武帝という一人の皇帝の短い治世を象徴するものであり、歴史の大きな転換期における一瞬の光芒のような存在でした。隆武の時代は、明朝滅亡後の混乱期における、明朝復興の試みとその挫折を如実に示していると言えるでしょう。この年号は、中国史における激動の時代を物語る、重要な歴史的要素の一つです。

関連事項

• - 元号一覧 (中国)

もう一度検索