永見武司

永見 武司（ながみ たけし）氏は、1953年5月31日に山口県で生まれた元プロ野球審判員です。

経歴

山口県立豊浦高等学校を経て中央大学に進学。大学時代は空手部に所属し、武道で培った精神力をその後のキャリアに活かしたと言えるでしょう。

卒業後、1976年にパシフィック・リーグ審判部に入局。プロ野球のグラウンドに立ち、白熱した試合を裁く日々が始まりました。審判員として「19」の袖番号を背負い、長きにわたり活躍しました。

パ・リーグ審判部での役割

2002年には、前任者の後を受けパ・リーグの審判部長に就任。組織を率いる立場となりました。しかし、2005年には異例の形で前任者が部長に復帰したことに伴い、永見氏は部長職を離れ、審判部参与という役職に就くことになります。そして2006年からは、再び一審判員としてグラウンドに戻りました。定年を待たずに部長職を退いたケースは、プロ野球界で他に類を見ない出来事でした。

輝かしい実績

現役時代には、数々の重要な試合で審判を務めました。野球の祭典であるオールスターゲームには4度出場（1984年、1990年、1993年、2001年）。特に1990年の第2戦では球審を務めています。

また、日本一を決める日本シリーズにも4度登場（1994年、1995年、1998年、2000年）。1994年と2000年の第4戦、そして横浜ベイスターズが38年ぶりに日本一に輝いた1998年の第6戦では、栄えある球審を務めました。

通算出場試合数は2536試合を記録。2008年4月23日には、千葉マリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズ戦で球審として2500試合出場を達成しました。同年9月23日のオリックス・バファローズ対ロッテ戦（京セラドーム大阪）で球審を担当したのを最後に、そのシーズン限りで定年によりプロ野球審判員としてのキャリアを終えました。

特徴と評価

永見審判員は、その太い眉毛と、球審時に四球のジェスチャー（左手人差し指で軽く一塁を指差す動作。現在は行われない）を行うことが特徴的でした。このジェスチャーは、両リーグを通じて佐藤純一氏のみが同様に行っていたものです。

安定した正確なジャッジは、球界関係者やファンから広く信頼を集めていました。

印象的なエピソード

いくつかの歴史的な試合にも立ち会っています。

日本プロ野球史上最後となったサスペンデッドゲーム、1987年5月23日の南海ホークス対ロッテオリオンズ戦（柏崎市佐藤池野球場）では二塁塁審を務めました。
前述の通り、1998年の日本シリーズで横浜ベイスターズが優勝を決めた第6戦で球審を担当しました。
* 大阪近鉄バファローズが本拠地である大阪ドームで行った最終戦、2004年9月24日の対西武ライオンズ戦では二塁塁審を務め、球団の歴史的な瞬間に立ち会いました。

定年後の活動

プロ野球界を引退後、2010年4月23日に開幕した独立リーグである日本女子プロ野球リーグにおいて、審判の統括責任者として復帰。現在も同リーグの審判部長を務めています。後進の指導にあたる傍ら、自らもリーグ開幕戦で球審を務めるなど、日本の女子野球発展にも貢献しています。

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