永遠 (Mr.Childrenの曲)

Mr.Childrenの配信限定シングル『永遠』：コロナ禍を乗り越え、新たな境地へ

2022年3月24日、Mr.Childrenは9作目の配信限定シングル『永遠』をリリースしました。この楽曲は、Netflix映画『桜のような僕の恋人』の主題歌として書き下ろされたバラードで、数々の記録を塗り替えるヒットとなりました。

制作背景：コロナ禍と30周年という節目の年

2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、Mr.Childrenの活動は大きな制約を受けました。予定されていたライブツアーの中止、活動自粛など、バンドは未曽有の困難に直面します。2020年12月にはアルバム『SOUNDTRACKS』をリリースし、プロモーション活動は行いましたが、その後のツアー開催は叶いませんでした。

このような状況下で、2022年のドーム・スタジアムツアー『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』に向けて、バンドは準備を進めます。その中で制作されたのが『永遠』です。2015年のアルバム『REFLECTION』以来、約7年ぶりに小林武史氏が参加したことも大きな話題となりました。

桜井和寿氏は、30周年という節目の年に小林氏と共に制作できたことを、自分たちの音楽を再確認する大切な時間だったと語っています。楽曲制作は試行錯誤の連続で、デモ段階ではアレンジに1ヶ月以上を費やしたとのこと。小林氏に編曲を依頼したことで、楽曲は完成へと至りました。メンバーは、この楽曲が30周年というタイミングでリリースされたことを、不思議な縁と捉えています。

音楽性：繊細なメロディーと力強いビート

『永遠』は、繊細で美しいメロディーと力強いビートが融合したバラードです。映画『桜のような僕の恋人』の物語に深く寄り添い、若い男女の純粋な恋愛を描写した歌詞は、年齢を重ねた桜井氏にとっては新たな挑戦だったと言及しています。コロナ禍でステージに立つ姿を想像しにくかったことから、映画の物語に没入することで制作を進めたとも語っています。

小林武史氏によるイントロとアウトロは、メンバーに深い感銘を与えました。桜井氏は「涙が出るような感じ」と表現し、小林氏ならではの、Mr.Childrenの良さを最大限に引き出すアレンジに感嘆しています。他のメンバーも、小林氏とのコラボレーションを通じて、改めてMr.Childrenサウンドの深みを再確認したと語っています。

リリースとプロモーション：TikTokでの全楽曲解禁

前作『turn over?』から約1年半ぶりにリリースされた『永遠』は、配信限定シングルとして発表されました。アートディレクションは森本千絵氏、ジャケット写真は山田博行氏が担当しました。

特筆すべきは、シングル発売日同日に、Mr.Childrenの全楽曲がTikTokで解禁されたことです。これは、新たなリスナー層へのアプローチという点で、大きな戦略的意義を持っていました。

批評とチャート成績：高い評価と記録的な売上

音楽ライターの高橋智樹氏は、『永遠』を「ポップミュージックに見果てぬ永遠を求め続けるMr.Childrenの在り方が凝縮された名曲」と高く評価。小林武史氏とのコラボレーションによって、桜井氏のメロディーの奥行きとバンドのビートの強度が際立ち、鮮烈な音像とイメージを生み出していると評しています。

チャート成績も非常に好調で、オリコン週間デジタルシングルチャートとBillboard JAPAN週間ダウンロードソングチャートの両方で初登場1位を獲得。配信限定シングルとしては、約4年ぶりの1位獲得となりました。2週連続1位を獲得するなど、大きな成功を収めました。

まとめ：コロナ禍からの再生と未来への展望

『永遠』は、コロナ禍という困難な状況を乗り越え、新たな境地へと進もうとするMr.Childrenの強い意志を感じさせる楽曲です。小林武史氏との再タッグ、映画主題歌というタイアップ、TikTokでの全楽曲解禁など、様々な要素が相乗効果を生み出し、大きなヒットへと繋がりました。この楽曲は、バンドの新たな出発点となる、記念碑的な作品と言えるでしょう。

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