永遠の夢に向かって (アルバム)

大黒摩季『永遠の夢に向かって』

1994年にリリースされた大黒摩季の4枚目のオリジナルアルバム『永遠の夢に向かって』は、彼女のキャリアにおいて重要な転換期を告げる作品となりました。前作から1年ぶりとなるこのアルバムは、発売初週で55万枚を売り上げ、前作の累計売上を上回るという驚異的な記録を達成。自身初のミリオンセラーとなり、大黒摩季が国民的な人気を獲得するきっかけとなりました。

アルバム概要

本作は、大黒摩季の音楽性の幅広さと、当時彼女が持っていた圧倒的な勢いを象徴する作品です。先行シングルとしてリリースされた「あなただけ見つめてる」「夏が来る」といったミリオンヒット曲に加え、アルバムの表題曲である「永遠の夢に向かって」や「白いGradation」といったヒットシングルを収録。アルバム収録曲のシングル売上合計は約350万枚に達し、ベストアルバムを除くと、大黒のアルバムの中で最大の売上を記録しています。

アートワーク

アルバムのジャケットは、ロサンゼルスで撮影されました。ポップコーンを犬が食べる写真や、コーヒーを飲んでいる写真、食事中の写真など、食べ物に関するものが多く使われています。また、それまでの作品では少なかった、カラーで顔がはっきりとわかる写真がブックレットに掲載されるようになり、大黒摩季の新たな魅力を引き出しています。

収録曲

アルバムには、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

永遠の夢に向かって：アルバムの表題曲であり、先行シングル。自身初のオリコンチャート1位を獲得しました。
ROCKs：大黒が「今まで貯めてきたものを一気に発散させたい」という思いで制作した楽曲。女性の社会参加をテーマにした歌詞と、川島だりあなどの力強い女性シンガーを起用したコーラスが特徴です。B'zの稲葉浩志に似た声がバックコーラスに入っているという噂も流れましたが、公式に否定されています。
戸惑いながら：ZYYGの栗林誠一郎が作曲した楽曲。当初は他のアーティストに提供する予定でしたが、大黒が自らのアルバムに収録したいと考えました。
あなただけ見つめてる：6枚目のシングルで、アニメ『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』のエンディングテーマとして大ヒットを記録しました。大黒摩季の代表曲の一つです。
Return To My Love：打ち込みを多用したアルバムの中で異彩を放つ楽曲。栗林誠一郎が作曲したメロディに、大黒が歌詞を付けています。
Stay with me baby：ゴスペル調の楽曲で、ゴスペル風のコーラスが特徴です。アルバムオリジナル曲の中では唯一、セルフカバーベストアルバムに収録されました。
孤独ヶ丘に見える夕陽：都会で暮らす若者に焦点を当てた歌詞が特徴です。
GYPSY：都会的な大人の恋愛を歌った楽曲です。
白いGradation：7枚目のシングルで、アルバム収録にあたりリミックスされています。
Rainy Days：大黒があまり好きではないという「雨」をテーマにした楽曲です。
夏が来る：8枚目のシングルで、夏の到来を歌った爽快なナンバーです。

参加ミュージシャン

本作には、葉山たけしをはじめ、数多くの著名ミュージシャンが参加しています。

葉山たけし (ギター)
数原普、佐々木史郎、木幡光邦、小林太 (トランペット)
中路英明、河合伸哉 (トロンボーン)
勝田一樹 (サックス)
ボビー・ワトソン、渡辺直樹、青木智仁 (ベース)
小野塚晃 (ピアノ、電子ピアノ)
中西康晴 (ピアノ、オルガン)
生沢佑一 (コーラス)
川島だりあ、高原裕枝、古川真一 (コーラス)

『永遠の夢に向かって』は、大黒摩季の音楽的な才能と、時代を捉える感性が融合した傑作であり、彼女のキャリアを語る上で欠かせないアルバムです。

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