永野勇吉

永野勇吉（ながの ゆうきち）

永野勇吉は、1886年（明治19年）1月20日に生まれ、没年は不明の日本の教育者、福祉事業家です。社会福祉法人岸和田学園の創設者であり、初代理事長を務めました。また、社会福祉法人阪南福祉事業会も創設しています。彼の孫は大阪府議会議員（3期）で大阪府議会副議長を務めた永野孝男、曽孫は大阪府岸和田市長（2期）の永野耕平です。

経歴

永野勇吉は学業を終えた後、1909年（明治42年）に警察官となり、巡査部長まで昇進しました。10年間の勤務の後、精勤賞を授与される資格を残して退職し、自ら加工業を経営しました。その後、社会事業への関心を深め、1932年（昭和7年）に公道授産会を創設しました。この施設では、虞犯少年や犯罪少年を収容・保護し、職業補導を行いました。

1933年（昭和8年）12月には、公道授産会を司法少年保護施設岸和田学園に改称し、80人から130人を収容しました。学業の傍ら、農事や木工などの職業訓練を行い、その成果を上げました。1934年（昭和9年）には、優良保護団体として御下賜金を拝受する栄誉に浴しました。同年、風水害に見舞われたことを契機に、御下賜金を記念して園舎の改築を計画し、1937年（昭和12年）に9棟40坪余りの学園が完成しました。

岸和田学園は、他の司法少年保護施設と同様に、浮浪児や不良少年を収容したため、近隣住民との間に摩擦が生じ、運営に困難を伴いました。しかし、これらの困難を乗り越え、1947年（昭和22年）に財団法人を組織しました。その後、児童福祉法の改正に伴い、養護施設へと転換し、収容する児童も孤児を主体とするようになりました。そして、社会福祉法人へと組織を改め、新たなスタートを切りました。

家族

長男：孝（生年不明） - 社会福祉法人岸和田学園2代目理事長
孫：孝男（1944年（昭和19年）または1945年（昭和20年）生） - 社会福祉法人岸和田学園3代目理事長、社会福祉法人阪南福祉事業会理事長、大阪府議会議員（3期）、大阪府議会副議長
曽孫：耕平（1978年（昭和53年）4月25日生） - 社会福祉法人岸和田学園元副園長、大阪府岸和田市長（2期）、元大阪府議会議員（1期）

参考文献

中部社会事業短期大学 編『輝く奉仕者 : 近代社会事業功労者伝』近代社会事業功労者伝刊行会、1955年。

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