永野明

永野 明（ながの あきら）

1975年6月26日、福岡県に生まれた永野明は、日本の障害者プロレスラー、ハンドサイクリスト、そして社会活動家として多岐にわたる活動を展開しています。彼は自らを「トッパ（突破）アスリート」と称し、あらゆる壁、そして自身の内なる壁をも乗り越えようとする強い信念を持って活動しています。

プロレスラーとしての歩み

19歳で上京した永野氏は、北島行徳氏の著書「無敵のハンディキャップ」に感銘を受け、障害者プロレスの世界に足を踏み入れました。1997年には障害者プロレス団体「ドッグレッグス」に入団し、約4年間にわたり選手としてリングに上がりました。その後、2000年1月には自身のルーツである福岡を拠点に、新たな障害者プロレス団体「FORCE」を設立。現在も「FORCE」の代表を務めながら、現役選手としても活躍を続けています。

ハンドサイクリストとしての挑戦

プロレス活動と並行して、永野氏はハンドサイクリストとしても精力的に活動しています。2005年、テレビでハンドサイクルで100kmを走破する人物の姿を見て、「自分ならもっと遠くまで行ける」と直感。そこから3年間の厳しいトレーニングを積み、「プロハンドサイクリスト」としての道を歩み始めました。リオパラリンピック出場を目指して競技活動に打ち込んでいましたが、2014年12月24日に不慮の交通事故に遭い、長期にわたるリハビリを余儀なくされ、戦線からの離脱を経験します。しかし、彼は諦めることなく、2020年を新たな目標に掲げ、再びトレーニングを開始しました。

数々の長距離走破と社会活動

永野氏は、ハンドサイクルなどを駆使した壮大な挑戦を繰り返し行っています。

2008年10月には、10日間で東京から福岡までの約1200kmを走破する『TE-DEマラソン2008』を完遂。
2009年からは、平和への祈りを込めて毎年8月に実施される広島（原爆ドーム）から長崎（平和祈念像）までの約400kmを、リレー形式で走り継ぐ活動に参加。
2010年には、12日間で九州一周約1000kmを見事に完走。
2011年には、5月に東京・日本橋から石川・金沢まで約500km、9月から10月にかけては北海道の宗谷岬から鹿児島の佐多岬まで、日本列島を縦断する約3500kmという途方もない距離を完走しました。

これらの挑戦は、彼の肉体的、精神的な強靭さを示すとともに、多くの人々に希望と勇気を与えています。

多方面での活動

アスリート活動に加え、永野氏はメディア出演や著作活動、企業の役員就任など、活動の幅を広げています。

2014年5月からは、ラジオ番組のパーソナリティとして自身の経験や考えを発信。
2014年9月には、自身の半生や障害者アスリートとしての思いを綴った著書「夢をかなえる 障害者アスリート」を出版。
複数の企業とマネジメント契約やサプライヤー契約を結び、活動を支援されています。
2017年12月には株式会社えにしあの取締役に、2018年4月には一般社団法人未来アスリート発掘スポーツ推進協会の共同代表に就任するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

エピソード

2013年10月、大阪で開催されていたマラソン大会の応援に訪れた際、宿泊先のホテル前に停めていた愛用のハンドサイクルが盗難に遭うという出来事がありました。この事件は報道もされましたが、幸いにもハンドサイクルは無事発見され、永野氏の活動に大きな支障をきたすことはありませんでした。

永野明氏は、レスラー、ハンドサイクリスト、そして社会活動家として、「トッパアスリート」の信念を胸に、限界を定めずに挑戦を続ける姿を通じて、多くの人々に希望とインスピレーションを与え続けています。

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