佐多岬

佐多



佐多は、鹿児島県肝属郡南大隅町に位置する、大隅半島の最南端のであり、九州本島の最南端でもあります。北緯30度59分42秒、東経130度39分42秒に位置し、大隅海峡に面しています。このは、霧島錦江湾国立公園の一部であり、豊かな自然と歴史的な景観が共存する場所として知られています。

地理



佐多の北約600メートルの地点を北緯31度線が通過しており、ニューデリーやカイロといった都市とほぼ同緯度です。大隅半島が細長く伸びて海に没する地点であり、の先には岩礁が点在しています。中生代砂岩頁岩が交互に重なり合った地層が海食崖を形成しており、自然の力強さを感じさせます。

の東方には枇榔島が、南方には岩礁を隔てて大輪島が浮かんでいます。の背後には御崎山または蘇鉄山と呼ばれる山塊が控え、その山腹には御崎神社があります。の先端からは、天候が良ければ種子島馬毛島屋久島三島村の島々、そして薩摩半島開聞岳など、広大な景色を望むことができます。

佐多一帯には、ソテツが群生しており、「鹿児島県ソテツ自生地」として国の特別天然記念物に指定されています。その他にも、ハマユウやビロウなど、亜熱帯特有の植物が自生しており、南国の雰囲気を醸し出しています。

歴史



佐多周辺は、古くから人々の信仰の対象となっていました。708年には、佐多近くに御崎神社が創建され、古くは御崎三所権現と呼ばれていました。毎年、旧暦の正月20日、2月18日、9月19日には祭礼が行われ、多くの人々で賑わいました。

1871年には、大輪島に佐多灯台が設置されました。この灯台は、海抜60メートルに位置し、光は21.5海里まで届きます。初代の灯台は、明治初期に多くの灯台を設計したイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計によるものでしたが、太平洋戦争中に空襲を受けました。現在の灯台は1950年に再建されたものです。

佐多地域は、1964年に霧島国立公園に編入され、その後、屋久島地域が分離したことで、現在の霧島錦江湾国立公園の一部となりました。また、1970年には佐多周辺が海浜公園にも指定され、自然保護と観光開発が進められてきました。

佐多ロードパーク



1963年、地元の岩崎グループによって、の近くまで道路が建設され、1964年から佐多ロードパークとして有料道路の供用が開始されました。これにより、観光開発が大きく進展しました。

しかし、佐多ロードパークの通行量は1973年をピークに減少し、岩崎グループは経営難を理由に2003年に道路の休止を決定しました。地元は、この道路が重要な観光資源であるとして休業の延期を求め、2007年には南大隅町に道路が譲渡され、無料の町道となりました。これにより、人や自転車も通行可能となりました。

その後も、佐多ロードパークの第二料金所より先の区間は、岩崎グループが管理し、公園入口で入場料を徴収していました。しかし、展望台などの施設は老朽化が進み、国立公園内であるため規制が多く、採算が合わないため、岩崎グループは一帯を行政に移譲したい意向を示しました。

その結果、南大隅町が5億2560万円を投じて、第二料金所から公園入口までの道路を岩崎グループから購入し、その他の園内の遊歩道は無償で譲渡されることになりました。2012年10月30日には、佐多ロードパークが完全に町道に移管され、佐多展望公園への入場が無料化されました。

老朽化した展望台とレストハウスは2013年5月までに撤去され、2018年1月には、新たな鉄筋コンクリート平屋建ての展望台が完成し、屋上から景色を眺めることができるようになりました。

交通



大隅半島の中心地である鹿屋市から、国道269号鹿児島県道68号鹿屋吾平佐多線、佐多ロードパークを経由して、佐多駐車場まで自動車で行くことができます。佐多駐車場から佐多先端部の展望台跡までは、徒歩での移動となります。なお、公園内の歩道はバリアフリーには対応していません。

かつては、大隅交通ネットワークによって、大泊(佐多ロードパーク入口)と佐多駐車場を結ぶバスが運行されていましたが、2006年に廃止されたため、現在、定期運行されている公共交通機関で佐多駐車場まで行くことはできません。

佐多ロードパークを経由せずに、田尻漁港付近から佐多先端部までの海岸沿いを徒歩で進むルートも存在します。

ギャラリー



(ギャラリーの画像データは省略しました)

脚注



(脚注の情報は省略しました)

関連項目



日本の端の一覧
鶴御崎 - 九州最東端の大分県佐伯市
神崎鼻 - 九州最西端の長崎県佐世保市
門司港 - 九州最北端の地(福岡県北九州門司区

外部リンク



佐多南大隅町ホームページ)
佐多展望公園(鹿児島県観光サイト)
* 佐多灯台の過去12時間の気象データ(鹿児島海上保安部)

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