江副孫右衛門

江副孫右衛門（えぞえ まごえもん）は、1885年（明治18年）2月6日に佐賀県有田町で生まれ、1964年（昭和39年）8月24日に79歳で亡くなった実業家です。彼は、日本特殊陶業の初代社長、日本碍子社長、そして東洋陶器（現TOTO）の社長・会長を歴任し、その経営手腕を発揮しました。また、故郷である有田町の初代町長も務め、地域社会にも貢献しました。

生い立ちと学歴

江副孫右衛門は、有田町上幸平で陶磁器製造業を営む父・八蔵の長男として生まれました。彼の家系は、佐賀藩の有田皿山代官所の役人だったと伝えられており、明治時代には祖父と父が窯焼きを家業としていました。彼は、白川尋常高等小学校（現在の有田小学校）と佐賀県立有田工業高等学校製陶科で学び、1909年には東京高等工業学校（現在の東京科学大学）窯業科を卒業しました。

実業家としてのキャリア

卒業後、家業の破綻により、江副は日本陶器に入社しました。そこで、白色硬質磁器研究体制の中心となり、1912年にはドイツなどに渡り陶業視察を行いました。1919年には日本碍子の工務部長に就任し、1936年には日本碍子から分離独立した日本特殊陶業の社長となりました。その後、1939年には日本碍子の社長にも就任しましたが、1944年にすべての役職を辞任しました。

有田町長としての活動

1947年、江副は有田町長に当選し、地域の発展に尽力しました。しかし、1949年に労働争議で揺れていた東洋陶器の再建を託され社長に就任。その際、「兼職はできない」として2年8ヶ月で町長を辞職しました。

その他の活動と受賞

江副は、1954年に日本化学の化学技術賞を受賞し、1956年には窯業協会会長に就任するなど、業界の発展に貢献しました。1958年には全国日本学士会のアカデミア賞（功労賞）を受け、日本学士会の名誉会員となりました。1963年には東洋陶器の会長に就任し、亡くなるまでその職を務めました。彼の生家は大正時代に建てられ、現在は有田町の施設として保存・活用されています。

親族

江副の甥にあたる江副茂も、東洋陶器の社長を務めました。このことから、江副家は陶磁器業界に大きな影響を与えた一族であることがわかります。

参考文献

• - 中日新聞記事 "陶磁器を世界へ(9) 車社会到来を予見 → プラグ製品品質重視貫く" (pdf) (2013年9月15日閲覧)

関連項目

• - 森村財閥
• - 森村グループ
• - 日本特殊陶業

江副孫右衛門は、日本の陶磁器産業の発展に大きく貢献しただけでなく、地域社会のリーダーとしても重要な役割を果たした人物でした。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

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