江天鐸

江天鐸について

江天鐸（こう てんたく）は、中華民国の著名な政治家であり、弁護士、教育者、そして外交官としても多岐にわたる活動を展開しました。彼は特に北京政府の要人として知られています。江天鐸の字は競庵、または嶃盦です。

初期の経歴と活動（1907年から1920年）

江天鐸は1907年（光緒33年）、早稲田大学を卒業後に中国に帰国し、民政部則例局にて法令の編纂に従事します。1910年（宣統2年）には京師高等警察学堂の教官に就任し、さらには1912年（民国元年）に弁護士としてのキャリアをスタートさせ、弁護士会の会長に選出されます。翌年には衆議院議員として活動を開始し、徐世昌の法律顧問に任命されました。この時期、彼は小政党の超然社および大中党に所属していました。

1916年（民国5年）には農商部秘書に任命され、翌年には段祺瑞内閣で農商部次長となります。1920年には靳雲鵬内閣にて農商部長代理を務めた後、総辞職に伴いいくつかの職を辞します。

1920年代の活動（1922年以降）

1922年（民国11年）には顔恵慶の臨時内閣で農商部次長に再任され、同年8月には農商総長代理に就任します。後に全国水利局総裁としても活動し、揚子江水道討論委員会の副会長も兼任。1923年には私立民国大学の校長に就任し、1930年までその職を務めました。

1926年には内務部次長に就任し、同年の末にはいくつかの役職から退くこととなりますが、その実績は引き続き評価されていました。

晩年の活動

1937年3月、江天鐸は冀東防共自治政府の駐満州国外交特派員としての任務を仰せ付けられ、新京で着任。その後、上海に移り、再び弁護士として活動を始めました。1939年には「和平救国宣言」に連署したものの、その活動については不透明な部分が多く、江の実際の状況はあまり知られていません。また、南京国民政府への参加を日本側から誘われた際、これを断ったとも言われています。

江天鐸は1940年にこの世を去り、享年63歳でした。彼は中華民国の多様な側面に関与した人物として、その存在が今日でも語り継がれています。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年
• - 謝彬『民国政党史』1924年（中華書局版、2007年）
• - 『北京高等教育史料 1』北京師範学院出版社、1992年

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