江島杉山神社

江島杉山神社

江島杉山神社（えじますぎやまじんじゃ）は東京都墨田区千歳にある歴史的な神社で、1693年（元禄6年）に創建されました。この神社は、鍼の技術を確立した杉山和一を祀っており、彼の功績を記念しています。杉山は江戸幕府の5代将軍、徳川綱吉の病を治したことから、本所一ツ目の土地を賜り、ここに自分の住居とともに、視覚障害者教育のための「杉山流鍼治導引稽古所」を設立しました。

当初、杉山は江島弁財天を信仰し続けており、その影響で綱吉は弁財天を祀ることを許可しました。この結果、江島神社として地域に根付くことになります。江戸時代には「本所一ツ目弁天社」として知られていましたが、明治時代になると土地が接収され、社名も「江島神社」に変更されました。その後、杉山の神社も加わり、1952年には両社が合併して現在の「江島杉山神社」となりました。

境内には、杉山が江の島で修業した際の岩窟を模倣した「岩屋洞窟」があります。この洞窟は、杉山の没後間もなく作られ、彼が管鍼術を学んだ場とされています。また、境内には「贈正五位杉山検校頌徳碑」があり、これは世界初の点字による石碑です。1924年に建立されましたが、第二次世界大戦で損傷し、その後再建されました。碑の上部には杉山の胸像、下部には点字の碑文が刻まれています。

さらに、戦争の火の手を逃れた銀杏の大木も境内にそびえており、その姿は歴史を物語っています。

祭神と境内の構造

江島杉山神社には、主に四柱の祭神が祀られています。市杵島島比売命、倉稲魂命、大国主命は日本神話における重要な神々です。そして、杉山和一も特別な神として祀られています。

境内では、杉山の業績を記念する多くのオブジェや碑も見られます。「杉多稲荷神社」や杉山検校を称える碑など、彼ゆかりの場所を訪れることで、その業績を感じられるでしょう。

特徴的なスポット

• - 力石：江戸時代に力自慢の者たちに使用されていた力石が残されています。墨田区の文化財に指定されています。
• - 杉山和一記念館：この記念館は公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会により運営され、鍼灸やあん摩に関する貴重な資料が保存・展示されています。江戸時代の文献や、徳川綱吉の直筆の掛け軸も見ることができます。鍼灸あん摩博物館は、地域の小さな博物館としても登録されており、交流の場となっています。

アクセス

江島杉山神社はJR両国駅から徒歩約7分の場所に位置し、都心からのアクセスも便利です。歴史、文化、そして神聖な雰囲気を感じながら、訪れることができる神社です。

江島杉山神社を訪れることで、杉山和一が遺したものや、日本の伝統文化について深く知ることができるでしょう。

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