江戸中町奉行所

『江戸中町奉行所』

『江戸中町奉行所』は、1990年から1992年にかけてテレビ東京で放送された連続テレビ時代劇で、全13話からなる第1シリーズと全12話からなる第2シリーズが制作されました。正式には1990年7月から9月、そして1992年4月から6月の金曜21:00からの時間帯で放送され、視聴者に強い印象を残しました。

概要

江戸時代の町奉行といえば、北町奉行所や南町奉行所が広く知られていますが、このドラマでは歴史上の記録に基づく「中町奉行所」にスポットを当てています。中町奉行所は存在こそ記録されていますが、一般にはあまり知られていない奉行所です。本作品では、その中町奉行所を中心に、表向きの業務は比較的平凡であったものの、実際には北町・南町奉行所が手を出せないような悪を裁く秘密の任務に従事する同心たちの活躍を描きます。

このドラマに登場する同心たちは、普段は平穏な生活を送っているかのように装っていながら、裏では闇の白州にて凶悪な者たちを斬り捨てるという形で江戸の平和を守っていました。登場人物には、水流添我童や木暮楽太郎をはじめとした名も惜しまれるキャラクターたちがまじわり、観る者を惹きつけます。

スタッフ

この作品の原案は南原幹雄によるもので、製作はテレビ東京と松竹が行いました。チーフプロデューサーにはテレビ東京の江津兵太が名を連ね、プロデューサーには小川治（第1シリーズのみ）、鈴木一巳（第2シリーズのみ）、中嶋等などが参加しました。脚本は複数人が手掛けており、保利吉紀、篠崎好、下飯坂菊馬、佐藤繁子、中村勝行などが作品を支えています。

監督陣には、石原興、奥村正彦、津島勝などの著名な監督が起用され、完成度の高い映像を提供しました。また、現像やテレシネにはIMAGICAや東京現像所が携わり、エキストラはエクラン演技集団や国際プロが協力しています。

音楽

音楽面では、主題歌に神崎愛が「愛のリフレイン」を歌っており、発表されたシリーズによっては浜圭介とのデュエット曲「街角」も含まれています。これらの楽曲は物語の雰囲気を一層引き立て、その印象を視聴者の心に刻みました。

主なキャスト

本作品のキャストには、近藤正臣（水流添我童）、田中健（木暮楽太郎）、清水健太郎（多吉）、神崎愛（お篠）、丹波哲郎（丹羽遠江守長守）など、実力派の俳優が揃い、魅力的な演技を見せました。また、OPナレーションは黒沢良が担当し、物語の導入部分を一層引き立てました。

DVDリリース

2022年11月9日には第1シリーズ全13話を収録した「江戸中町奉行所 第1シリーズ コレクターズDVD」が登場し、続いて2022年12月7日には第2シリーズ全12話を収録した「江戸中町奉行所 第2シリーズ コレクターズDVD」も発売されました。このように本作は時を経ても多くのファンに支えられ、愛され続けています。

『江戸中町奉行所』は、時代劇としての深みとエンターテインメント性を兼ね備えた一作であり、今なお色あせることのない名作として記憶されるべき作品です。

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