江戸橋 (東京都)

江戸橋：歴史と文化が交差する場所

江戸橋は、東京都中央区の日本橋川に架かる橋で、その歴史は17世紀にまで遡ります。かつては、大船町（後の本船町）と本材木町を結ぶ橋として、江戸の経済活動を支える重要な役割を担っていました。現在では、都道316号線（昭和通り）が通り、中央区日本橋と日本橋本町を結ぶ交通の要所となっています。

江戸橋の歴史

江戸橋の歴史は、17世紀に始まり、当初は現在よりも下流に位置していました。その建設時期については、1631年（寛永8年）頃とする説や、それ以降とする説など、いくつかの見解があります。橋の名前の由来については、隣接する日本橋との関連性から名付けられたという説と、かつてこの周辺が江戸の中心部であったという説があります。

江戸時代には、橋の下には漁船や旅客船が集まり、賑わいを見せていました。南側には船宿が立ち並び、隅田川への舟遊びのための屋形船も停泊していました。また、南西側には木更津河岸があり、江戸と上総国木更津を結ぶ船が発着していました。江戸橋の南側には、明暦の大火後に防火対策として江戸橋広小路が設けられ、多くの人々で賑わいました。

その後、江戸橋は、1875年5月に石橋へ、1901年には鉄橋へと改築されました。さらに、1927年（昭和2年）には昭和通りの開通に伴い、現在の位置に架け替えられました。1880年の工事中には、ナウマン象の化石が発見されるという珍しい出来事もありました。

1960年代には、江戸橋のほぼ真上に首都高速道路の江戸橋ジャンクションが建設され、現代の東京における交通の要衝としての役割を担っています。

地名としての江戸橋

江戸橋は、1928年（昭和3年）から1973年（昭和48年）にかけて、地名としても用いられていました。当時の中央区日本橋のほぼ東半分が「（日本橋）江戸橋」と称され、西半分は「（日本橋）通」と呼ばれていました。この地名は、都営地下鉄日本橋駅が当初「江戸橋駅」と名乗っていたことからも、その存在が伺えます。現在でも、昭和通りと永代通りの交差点に「江戸橋一丁目」という地名が残っています。

江戸橋周辺

江戸橋の周辺には、日本橋郵便局（郵便発祥の地）や野村證券などの重要な施設が存在します。また、都営地下鉄浅草線の日本橋駅が最寄りの駅です。

隣接する橋

日本橋川における江戸橋の隣の橋は、上流側が日本橋、下流側が鎧橋です。

関連事項

江戸橋は、首都高速道路の江戸橋出入口（閉鎖済み）や江戸橋ジャンクションとも関連が深く、首都高速都心環状線、首都高速1号上野線、首都高速6号向島線と接続しています。

まとめ

江戸橋は、江戸時代から現代まで、東京の歴史と文化、そして交通を支え続けてきた重要な場所です。橋としての役割だけでなく、かつては地名としても存在し、その周辺には歴史的な施設も多く点在しています。江戸橋は、過去と現在が交錯する、まさに東京を象徴する場所の一つと言えるでしょう。

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