首都高速6号向島線

首都高速6号向島線：都心の要衝を繋ぐ高架道路

首都高速6号向島線は、東京都中央区の江戸橋ジャンクションから葛飾区の堀切ジャンクションまでを結ぶ、重要な首都高速道路路線です。5号池袋線と合わせて、都心と東北自動車道方面、中央環状線方面を繋ぐルートを形成する一方、6号三郷線（常磐自動車道方面）や7号小松川線（京葉道路方面）とも接続しており、東京都東部地域の交通を支える重要な役割を担っています。

複雑な構造と歴史

向島線は、そのルート上に幾つもの特徴的な構造物を有しています。江戸橋ジャンクションから出発した路線は、日本橋川沿いを南東に走り、その後北東へと向きを変えます。この区間には、複数の出入口と接続する複雑な構造の箱崎ロータリーや、東京シティエアターミナルを内包する箱崎ジャンクションが存在します。さらに、隅田川を渡る両国大橋とその周辺には、7号小松川線と接続する両国ジャンクションがあり、路線の複雑さを際立たせています。

隅田川の東岸区間は、河川護岸工事と一体となったケーソン工法で建設され、橋脚と護岸が一体構造となっている点が技術的な特徴です。向島出入口までは1971年に開通した第一期区間、それ以降の堀切JCTまでの区間は1982年に開通した第二期区間であり、この区間の建設においては、白鬚東防災拠点用地を通過し、荒川に架かる新荒川橋を渡ります。

路線の多くは河川および箱崎川の公有水面埋立地を利用して建設されたため、民有地の買収は最小限に抑えられました。しかし、箱崎川沿いの事業者への影響を最小限にするため、代替施設の提供や補償などが行われました。具体的には、東大・一橋大のボート部艇庫の移転、アサヒビール倉庫や倉庫業者への対応などが挙げられます。また、隅田公園については、景観への配慮がなされました。

交通量と渋滞

6号向島線は、東京都心部と東北自動車道、常磐自動車道、京葉道路方面を結ぶ重要な路線であることから、慢性的な渋滞が発生しやすい区間でもあります。特に両国ジャンクションでは、合流事情から車線が減少するため、渋滞が深刻化する傾向があります。しかし、近年は中央環状線の開通や箱崎ジャンクションの改良、東京外環自動車道の千葉区間開通などによって、渋滞状況は改善傾向にあります。

隅田川花火大会と通行止め

毎年7月に行われる隅田川花火大会開催時には、両国ジャンクションから堤通入口、堀切ジャンクション間が通行止めとなります。

歴史

6号向島線の計画は1959年にさかのぼります。当初の計画では、人形町、久松町、浜町を経由するルートが検討されましたが、民有地の取得問題を解決するため、現在のルートに変更されました。東京オリンピック開催後、本格的な建設工事が開始され、1971年に最初の区間が開通、1982年に全線開通に至りました。箱崎ジャンクションには、東京シティエアターミナルも建設されました。

まとめ

首都高速6号向島線は、都心と東部地域を繋ぐ重要な路線であり、その歴史と複雑な構造、そして交通量から、首都圏の交通インフラにおける重要な位置づけを改めて認識できます。今後も、交通状況の変化や都市開発に柔軟に対応しながら、その役割を果たしていくことが期待されます。

もう一度検索