江月宗玩

江月 宗玩（こうげつ そうがん）の生涯と業績

江月宗玩は、1574年11月21日に生まれ、1643年10月1日に亡くなった、日本の安土桃山時代から江戸時代前期にかけての著名な臨済宗の僧侶です。彼は大徳寺の住持を務める一方で、文化や茶道の領域でも卓越した才能を発揮しました。宗玩は、堺の名商である津田宗及を父に持ち、茶道においてもその経験を受け継いでいます。彼の兄である津田宗凡が天王寺屋を継いだことでも知られています。

幼少期と修行

幼少期、宗玩は大徳寺の僧、春屋宗園のもとで修行を始めました。15歳の時に剃髪し、「宗玩」という名で活動を開始します。1610年には大徳寺156世の住持となり、次の年には自らの師である春屋の死去を受けて、黒田家の菩提寺である塔頭龍光院の住持に就任しました。このとき、彼は「江月」を自身の号としました。

茶の湯と文化的功績

宗玩は、茶の湯の世界においても広く知られています。父である宗及、さらには古田織部や小堀遠州から茶道を学んだ彼は、千宗旦とも親交を持ち、堀直寄や黒田高政などの弟子を指導しました。その実力はただの茶人にとどまらず、文人としても活躍し、沢庵宗彭や清巌宗渭とともに、書の作品は茶掛として用いられ、流行を見せました。また、松花堂昭乗や狩野探幽といった他の文化人とも親しい関係を築いています。

政治的活動と信仰

また、江月は紫衣事件にも関わりました。この事件では、沢庵や玉室宗珀と共に幕府に対して抗議し、詰問を受けたものの、彼は唯一許されました。このように、宗玩は信仰と政治的活動が交錯する中で自らの立場を守りつつ、信仰の道を貫いていたことがうかがえます。

晩年と著作

彼は、1643年に隠棲先であった龍光院で亡くなりました。その遺産の一つとして、江月の語録『欠伸稿』は非常に有名で、多くの人々に受け継がれています。宗玩の業績は、彼が茶道界や文化界に残した足跡を示すものであり、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

このように、江月宗玩は、臨済宗の僧侶としてだけでなく、文化人としても重要な役割を果たした人物であり、彼の名声は今もなお色褪せることがありません。

もう一度検索