江田島銘醸

江田島銘醸株式会社：歴史と伝統が香る江田島唯一の酒蔵

広島県江田島市に位置する江田島銘醸株式会社は、明治40年（1907年）、住岡八百蔵氏によって創業された歴史ある酒造メーカーです。八百蔵氏は元宮大工として成功を収めた人物であり、明治20年（1887年）の海軍兵学校移転による江田島の人口増加を機に、新たな事業として酒造業へ進出しました。

江田島では、かつて複数の酒蔵が存在していましたが、現在では江田島銘醸株式会社が唯一の酒蔵として、その伝統を守り続けています。現在、蔵元を務めるのは4代目社長であり、自ら杜氏も兼任することで、酒造りの全工程に携わっています。

海軍御用酒に選ばれた銘酒「同期ノ桜」

江田島銘醸株式会社の代表銘柄として知られるのが「同期ノ桜」です。この銘柄は、当初は別の名前で呼ばれていましたが、海軍兵学校出身者の要望により現在の名前に改められました。その深い味わいは、海上自衛隊関係者を中心に長く愛飲され、同窓会などでの贈答品としても高い人気を誇っています。

他にも「保万齢」「古鷹」「江田島」といった日本酒や、「ヨーソロ」という焼酎など、幅広いラインナップを展開しています。これらの酒造りには、標高394mの古鷹山の伏流水が仕込水として使用され、酒米には八反錦や山田錦といった良質な米が厳選されています。

地域に根付いた酒造り

江田島銘醸株式会社は、単なる酒造メーカーとしてだけでなく、地域社会に貢献する存在として、江田島の歴史と文化を醸造を通じて伝承しています。伏流水や地元産米を使用することで、江田島の自然の恵みを最大限に活かした酒造りを追求。創業以来受け継がれてきた伝統的な技法と、現代的な技術を融合させることで、時代を超えて愛される銘酒を生み出し続けています。

地元住民との繋がりも深く、地域イベントへの参加や、地元食材を使った料理とのマリアージュ提案など、積極的に地域活性化にも貢献しています。

未来への展望

江田島銘醸株式会社は、これからも伝統を守りつつ、革新的な取り組みにも挑戦し続け、新たな酒造りの可能性を追求していきます。後継者育成にも力を入れており、将来世代へと酒造りの技術と精神を引き継いでいく体制が整えられています。

江田島銘醸株式会社の酒は、単なるアルコール飲料ではなく、歴史、伝統、そして地域の人々の情熱が凝縮された、まさに「地酒」と言えるでしょう。その深い味わいと歴史に思いを馳せながら、一杯をゆっくりと味わってみてください。

主な銘柄:

日本酒: 同期ノ桜、保万齢、古鷹、江田島
焼酎: ヨーソロ

使用水: 古鷹山伏流水

使用米: 八反錦、山田錦

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